趣味人の恋 4 (12~14章)
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章タイトル: 第12章 渡れない川
-----------------------(p.52)-----------------------
【黒の舟唄】 唄:長谷川きよし
男と女のあいだには
深くて暗い川がある
誰も渡れぬ川なれど
えんやこら今夜も
舟を出す
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ
お前が17 俺19
忘れもしないこの川に
二人の星のひとかけら
流して泣いた夜もある
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ
それからいくとせ
こぎ続け
大波小波
揺れ揺られ
極楽見えてたこともある
地獄が見えたこともある
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ
たとえば男は阿呆鳥
たとえば女は忘れない
真っ赤なうしおが満ちるとき
無くしたものを思い出す
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ
お前と俺のあいだには
深くて暗い川がある
それでもやっぱり逢いたくて
えんやこら今夜も舟を出す
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ・・
-----------------------(p.53)-----------------------
この頃僕と香りは、表の伝言板で話すよりミニメで話すことの方が多くなっていた。
僕の部屋では徐々に交友範囲も広がり、
季節も良くなり釣りのコミュンでの投稿も多くなっていた。
そちらへの返信、訪問をしながら香りへのミニメも数多く出した。
景気は最悪の状況は脱していたものの、以前の半分以下であった・・
それでも朝一の仕事の電話は徐々に増えつつある・・
そんな中、香りへのミニメ、他の友人への挨拶、加えて仕事のやり取りと、午前中は結構忙しく^^;?
だから、僕は毎日午前中はずっとパソコンの前に座り続けるのが日課となった。
香りは一人暮らしで夜勤中心の勤務であるため、朝食は摂らないと云っていた。
その為、僕は前の日の夕方、事務所を閉める前に彼女に
朝食を用意する♪(^。^)y-.。o○
勿論、妄想メールだけだけど^^;・・・・
「香り、おはよう♪(^。^)y-.。o○朝食やで♪
今朝はパンケーキ焼いたからな♪(^v^)
2枚位でエエか?
マーガリンとハチミツ、たっぷりかけてあげる♪
野菜サラダもあるよ♪(^_-)-☆」
翌朝早くに返信が入っている♪
「アナタ、ありがとう♪(^_-)-☆
私パンケーキ、だ~いすき♪
2枚じゃ足りないわ、この次は4枚にしてね♪(*^_^*)」
「香り、おはよう♪(^.^)/
ナニ?パンケーキ4枚?(;一_一)
そら食べ過ぎやろ?(ーー゛)・・・
野菜も残さんと食べんとアカンがな・・
(-_-)/~~~ピシー!ピシー!」
「パンケーキ~~~!(ToT)/~~~」
と、こんな風にやりあった♪(#^.^#)
僕には二人の仲が順調に思えていた・・
-----------------------(p.54)-----------------------
僕には二人の仲が順調に思えていた・・
男の僕にはそう思えていたんだ・・・
香りのマイフレだった男性は
いつの間にか消えていた・・・・
「愚意っぽくて、どうもお話しが合わないのでやめて貰いました・・」
その男性と入れ替わるように「みかんさん」と云う女性が新たに香りのマイフレになった。
彼女の日記を見て、香り自身に(何か)重なる部分があると云っていた。
僕に異存は無かった。
だって、「女性」だし^^;・・・
僕には全てうまく行ってるように思えた・・・
しかし・・・・
普段、香りは僕の部屋には入らず【ミニメ】だけの交信がほとんだった。
でも時折、部屋を覗いてからミニメを送信したりもする・・・
時にはミニメも伝言も残さない日もあった・・
翌日になれば
「御免なさい・・昨日は少し、体調もすぐれなかったから・・」と云ったので僕はそう気にはしていなかったが・・・
そして7月の下旬、
僕の「マイフレ欄」から
「忘れな草さん」の文字が消えた・・・
膨大な量のミニメも、伝言も
全て消えた・・・・
まるでそんなものは元々存在しなかったように
消えてしまった・・・
-----------------------(p.55)-----------------------
なんの前触れもなく、
香りが僕の前から消えた…
僕はただ呆然するだけだった…
過去に香りが伝言を残したであろう人の部屋を訪問をしたが同じことだった…
香りのもう一人のマイフレ、みかんさんの部屋を訪ねた…
何か手掛かりになる伝言がないかと思ったからだ…
ある訳が無かった…
香り自体が消えたのだから…
僕は朝の仕事の電話をこなし、みかんさんに【マイフレ申請】を利用してメールを送った。
彼女とは互いの部屋の往き来はあったが、ほとんど言葉を交わした事は無かった…
『みかんさん、はじめまして。
今朝、【忘れな草さん】がいなくなりました。
僕は彼女の事を【香り】と呼び、愛し合っていました。
みかんさん、何かご存知ありませんか?』
暫く経ってもみかんさんから返信は無かった…
留守のようだった…
僕は待つしか無いのだと思った…
これより少し前、香りのパソコンが回線自体に不具合があり、なかなか繋がらない時があった。
その時僕は、携帯電話の電話番号・メールアドレス、パソコンのアドレス、本名を全て明かしていた。
万が一パソコンによる連絡が出来なくなった場合の最後の手段として…
今の僕は、香りからの連絡を待つしか無かったのだ…
-----------------------(p.56)-----------------------
みかんさんからその日の夜、部屋にミニメがあった。
『えい吉さん、こんばんは。
私は今、主人と伊豆に旅行に来ています。
ホテルのネット用パソコンで自分のページを覗き知りました。
本当に【わーちゃん(私はそう呼んでます)】は居なくなりました!
わーちゃんはえい吉さんとの事を悩んでいました。
趣味人でのお友達の事、えい吉の奥さんの事、本当に悩んでました。』
『みかんさん、お便りありがとう。
香りがそんな事で悩んでいたなんて全然知りませんでした…』
『わーちゃんは他のお友達とえい吉さんが、楽しそうにやり取りしていることが堪えられ無かったのだと思います。
そんな事に嫉妬する自分を許せないと言っていました。
奥さんに対してもすまない事をしていると自分を責めていました。』
僕は知らなかった…
章タイトル: 第12章 渡れない川
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【黒の舟唄】 唄:長谷川きよし
男と女のあいだには
深くて暗い川がある
誰も渡れぬ川なれど
えんやこら今夜も
舟を出す
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ
お前が17 俺19
忘れもしないこの川に
二人の星のひとかけら
流して泣いた夜もある
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ
それからいくとせ
こぎ続け
大波小波
揺れ揺られ
極楽見えてたこともある
地獄が見えたこともある
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ
たとえば男は阿呆鳥
たとえば女は忘れない
真っ赤なうしおが満ちるとき
無くしたものを思い出す
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ
お前と俺のあいだには
深くて暗い川がある
それでもやっぱり逢いたくて
えんやこら今夜も舟を出す
ロウ&ロウ
ロウ&ロウ
振りかえるな ロウ・・
-----------------------(p.53)-----------------------
この頃僕と香りは、表の伝言板で話すよりミニメで話すことの方が多くなっていた。
僕の部屋では徐々に交友範囲も広がり、
季節も良くなり釣りのコミュンでの投稿も多くなっていた。
そちらへの返信、訪問をしながら香りへのミニメも数多く出した。
景気は最悪の状況は脱していたものの、以前の半分以下であった・・
それでも朝一の仕事の電話は徐々に増えつつある・・
そんな中、香りへのミニメ、他の友人への挨拶、加えて仕事のやり取りと、午前中は結構忙しく^^;?
だから、僕は毎日午前中はずっとパソコンの前に座り続けるのが日課となった。
香りは一人暮らしで夜勤中心の勤務であるため、朝食は摂らないと云っていた。
その為、僕は前の日の夕方、事務所を閉める前に彼女に
朝食を用意する♪(^。^)y-.。o○
勿論、妄想メールだけだけど^^;・・・・
「香り、おはよう♪(^。^)y-.。o○朝食やで♪
今朝はパンケーキ焼いたからな♪(^v^)
2枚位でエエか?
マーガリンとハチミツ、たっぷりかけてあげる♪
野菜サラダもあるよ♪(^_-)-☆」
翌朝早くに返信が入っている♪
「アナタ、ありがとう♪(^_-)-☆
私パンケーキ、だ~いすき♪
2枚じゃ足りないわ、この次は4枚にしてね♪(*^_^*)」
「香り、おはよう♪(^.^)/
ナニ?パンケーキ4枚?(;一_一)
そら食べ過ぎやろ?(ーー゛)・・・
野菜も残さんと食べんとアカンがな・・
(-_-)/~~~ピシー!ピシー!」
「パンケーキ~~~!(ToT)/~~~」
と、こんな風にやりあった♪(#^.^#)
僕には二人の仲が順調に思えていた・・
-----------------------(p.54)-----------------------
僕には二人の仲が順調に思えていた・・
男の僕にはそう思えていたんだ・・・
香りのマイフレだった男性は
いつの間にか消えていた・・・・
「愚意っぽくて、どうもお話しが合わないのでやめて貰いました・・」
その男性と入れ替わるように「みかんさん」と云う女性が新たに香りのマイフレになった。
彼女の日記を見て、香り自身に(何か)重なる部分があると云っていた。
僕に異存は無かった。
だって、「女性」だし^^;・・・
僕には全てうまく行ってるように思えた・・・
しかし・・・・
普段、香りは僕の部屋には入らず【ミニメ】だけの交信がほとんだった。
でも時折、部屋を覗いてからミニメを送信したりもする・・・
時にはミニメも伝言も残さない日もあった・・
翌日になれば
「御免なさい・・昨日は少し、体調もすぐれなかったから・・」と云ったので僕はそう気にはしていなかったが・・・
そして7月の下旬、
僕の「マイフレ欄」から
「忘れな草さん」の文字が消えた・・・
膨大な量のミニメも、伝言も
全て消えた・・・・
まるでそんなものは元々存在しなかったように
消えてしまった・・・
-----------------------(p.55)-----------------------
なんの前触れもなく、
香りが僕の前から消えた…
僕はただ呆然するだけだった…
過去に香りが伝言を残したであろう人の部屋を訪問をしたが同じことだった…
香りのもう一人のマイフレ、みかんさんの部屋を訪ねた…
何か手掛かりになる伝言がないかと思ったからだ…
ある訳が無かった…
香り自体が消えたのだから…
僕は朝の仕事の電話をこなし、みかんさんに【マイフレ申請】を利用してメールを送った。
彼女とは互いの部屋の往き来はあったが、ほとんど言葉を交わした事は無かった…
『みかんさん、はじめまして。
今朝、【忘れな草さん】がいなくなりました。
僕は彼女の事を【香り】と呼び、愛し合っていました。
みかんさん、何かご存知ありませんか?』
暫く経ってもみかんさんから返信は無かった…
留守のようだった…
僕は待つしか無いのだと思った…
これより少し前、香りのパソコンが回線自体に不具合があり、なかなか繋がらない時があった。
その時僕は、携帯電話の電話番号・メールアドレス、パソコンのアドレス、本名を全て明かしていた。
万が一パソコンによる連絡が出来なくなった場合の最後の手段として…
今の僕は、香りからの連絡を待つしか無かったのだ…
-----------------------(p.56)-----------------------
みかんさんからその日の夜、部屋にミニメがあった。
『えい吉さん、こんばんは。
私は今、主人と伊豆に旅行に来ています。
ホテルのネット用パソコンで自分のページを覗き知りました。
本当に【わーちゃん(私はそう呼んでます)】は居なくなりました!
わーちゃんはえい吉さんとの事を悩んでいました。
趣味人でのお友達の事、えい吉の奥さんの事、本当に悩んでました。』
『みかんさん、お便りありがとう。
香りがそんな事で悩んでいたなんて全然知りませんでした…』
『わーちゃんは他のお友達とえい吉さんが、楽しそうにやり取りしていることが堪えられ無かったのだと思います。
そんな事に嫉妬する自分を許せないと言っていました。
奥さんに対してもすまない事をしていると自分を責めていました。』
僕は知らなかった…
作品名:趣味人の恋 4 (12~14章) 作家名:ef (エフ)