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古都・純情物語 3 (11~12章

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第11章


12月になった。

優一達のバンド【カミカゼ】のコンサートは12月20日に

行われる。


チケットの売れ行きは好調で、80%を超えていた。

泰子や瑛子の協力も大きかった♪


しかし、趣旨は【山木昭次追悼】である。


後の20%は出来るだけ山木に関わりのあるルートで

捌きたかった♪


優一はバンドの練習以外に、チケット販売、音響設備、

運搬車の手配と多忙だ。


だからあの日以来、瑛子と連絡をとることは出来

無かった…

携帯電話、パソコンはおろか、またポケベルも無い時代だ…

在るのはダイヤル式の固定電話と手紙だけ…




ある日、優一は白いブルーバードを運転して今出川通り

を御所の前を通った。

すると同志社大学の傍の洒落た喫茶店の前で瑛子を見つけた♪(*^^*)

白い太編みのセーターにベージュのミニスカートにショートブーツを履いている♪

優一が車を停めてクラクションを鳴らそうとしたその時、


…………(・_・;)・・・・・・・


瑛子の肩に馴れ馴れしく手を掛ける男の影が…


     (^_-)-☆   (#^.^#)


    振り返る瑛子の顔に微笑みが…


     

         ( ̄▽ ̄;)ナンデ?



優一は二人の入った喫茶店の向かいの道路に車を

停めた…

その男は瑛子の腰辺りに手を置き、

店の中に瑛子をエスコートする…



まるで【恋人同士】の様に…(T_T)…



(瑛子ちゃん、彼氏おったんや…(--;)…

              終わったな(-.-)ノ⌒-~…)







優一は正面に向き直り、深呼吸をひとつすると、

車を出した…


優一に男の顔は見えなかったが、瑛子の背中をエスコートするその手が、白く細く目に焼き付いた。


(僕の手とえらい違いや…

きっと、金持ちのボンボンなんやろな…(T_T)…)



  優一は虚ろな気持ちで都大路を横切った。


       (/_;)・・・・・






瑛子は同志社近くの喫茶店に本田邦夫を呼び出していた。

優一のコンサートチケットを渡すためだ。

「瑛子ちゃま~~♪わざわざ、ありがと~~♪(#^.^#)」

「いいえ、私のほうこそ♪チケット、5枚も買って貰って

 ありがとう♪(^_-)-☆

 でも本田君、ロックコンサートなんよ、大丈夫?」


「なあ~に、瑛子ちゃまの為なら【例え火の中水の中】ってね♪(#^.^#)

 ま、普通はフルオーケストラのクラシック演奏かオペラ、

 100歩譲ってブロードウェーのミュージカルしか行かないけど、

 瑛子ちゃまたってのお願いとあらば、喜んで♪(*^^)v 

 ところで、そのバンドの誰かとお知り合い?(ーー゛)・・」


 「うん♪(#^.^#)・・あ、・・・友達の・・・友達・・かな?^^;・・

 この10月の都祭にも来てくれたんよ♪(#^.^#)

 ものすごい盛り上がって♪(^_-)-☆」

 「ふ~ん(-。-)y-゜゜゜・・で、今日この後ど~するん♪(^_-)-☆」

 「あ!ごめん、まだチケット届けなアカンねん^^;・・

 あ!もうこんな時間!ほな、本田君ごめんね!またね!

 さいなら~~~~!(^_-)-☆」



 瑛子は自分のコーヒー代をテーブルに置くと、

 素早い身のこなしで店を出た。

     「・・・(T_T)・・・瑛子ちゃま・・・・・・」






(  これで、優一君も喜んでくれる♪ (#^.^#)  )


   優一のことを考える瑛子は、足取りも軽く、

   御所の森を抜けて行った♪







第12章



優一が家に帰ると同時に、茶の間の黒電話が鳴った。

『もしもし、林です…もしもし?』

『……林君?…私…分かる?』

『……雅美ちゃん?(・_・;)・・』

『久しぶり~♪(*^^*)元気やった?』

『ん?…ああ、元気やで♪(((^^;)雅美ちゃんは?』

『うん、元気よ♪今度、山木君のコンサートするんやてね♪』

『ああ、今月20日や。もう日無いから必死や♪(^^ゞ』

『……あんな、私……今度、結婚する事になってん…』

『…ああ、…そうらしいな…大井さんから聞いたわ…

来年の4月やて?雅美ちゃん、おめでとう♪(^^ゞ』

『ありがとう・・・・・・あんな、実は…

近くまで来てるんやけど…これからちょっと会えへん?(..)』


『…かまへんけど…』


『そしたらあの、【喫茶ラベンダーの香り】に4時でどう?』

『4時やな?オッケー♪(^^ゞそしたら♪』





【喫茶ラベンダーの香り】は北山通りの植物園前に在った。

 優一と雅美がデートで良く利用した店だ。

 40代の美しいマダムが独りで切り盛りする店だった。

 喫茶ラベンダーの香り】は、割と客層が高い。

 皆、美しいマダムが目当てなことは明白だった。


 キザで甘~い言葉を畳み掛けるように吐いてマダムを口説く詩人。

 昼間からビールをあおり、

 『今度大阪に行ったら、必ずママにお土産に買ってくるよ♪(^_-)☆』

 と毎度同じ口説き文句の酔っ払いオヤジ。

 カウンターの端っこで、ブツブツ愚痴を言いい、

 ウドンを食べながら、「ウチのカミさん、ワシに冷たくてなァ~!(T_T)」

 マダムに毎回同情を乞うおっさん・・



 そう言えば、ベタベタの関西弁で、毎朝アメリカン飲んで、

 マダムと一言二言言葉を交わし出勤して行くサラリーマンもいたなぁ…

 気のせいか?その時だけマダムの目元が、心から微笑んでみえたのは…(*^^*)




『いらっしゃい♪林君、久しぶりやねぇ♪(^_-)☆雅美ちゃん、お待ちかねよ♪』

マダムが優一に声を掛けた。

『ご無沙汰してます♪(^^ゞあ、雅美ちゃん、待った?』

『うううん♪(*^^*)10分位。ごめんな、忙しい時に…』

『ああ、かまへんよ(((^^;)ママ、アメリカンひとつ下さい♪』

『はい♪飛びっきり美味しいの入れたげる(^_-)☆』


      『……(._.)』

      『……(-.-)』

  二人は注文した飲み物が来るまで黙っていた・・

  マダムが二人に良い香りのするアメリカンを

  テーブルに置いて去った。

 
  マダムはカウンターの中の椅子に腰かけ、読みかけの文庫本を開き、読み始めた。


  呼びかけなければ、余計なサービスはしない・・

  それがこの店の昔からのやり方だ。


 

  雅美は中々要件を切り出さなかった・・・・


 
  互いに無言のまま、アメリカンコーヒーを

    一口・・・・二口・・・・



 
  ようやく雅美が口を開いた・・・

 
 「私、今週の週末に、彼から旅行に行こて

  誘われてるねん・・・・(・_・;)・・」

 雅美の言葉はそこで途切れ、再び二人の間を沈黙が支配した・・・









 その頃、都寮の食堂で瑛子と泰子が夕食を並んで摂っていた。

  (#^.^#)ニヤニヤ♪・・・ニヤニヤ♪