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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・伍】ごー・あ・(田)うぇい

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カラスが数回鳴いた
「自業自得だな」
地面にまるで海水浴に来て砂に埋められちゃったの的食い込み方をしている阿修羅を坂田が見下ろした
「…女心は難しいからねぇ」
南が側にあった枝で阿修羅を突付きながら言う
「やっぱ女じゃないかもしれねぇ…」
中島がヨシコを見て言う
「何よ!!」
そんな中島に気づいたヨシコが怒鳴った
「何でも」
ふいっと顔をそらした中島にヨシコがむっとした顔をする
「オ~イ! 閉会式やるぞ~って」
浜本が小走りでやってきた
「…オイ」
中島が振り返らずに呼びかける
「痛いから;」
そんな中島の後ろにいたのは鋭く中島を睨むヨシコ
「ヨシコちゃ~ん; せっかく可愛い顔してんのになんで睨んでんのさ~;」
現地解散ということでそれぞれ帰路についた生徒達の群衆の中一際目立つ衣装のヨシコとそんなヨシコの睨み視線を背中に受ける中島の少し後ろを歩いていた南が言う
「ムカツクからよ!! そうよ! きまってるじゃない!?」
ガ-----------ッ!! と食いつくようにヨシコが南に言った
「…こっちはコッチで…」
坂田がチラッと目線を後ろに向ける
「ああ~…お帰り~お帰り~!!」
涙目になりながらハニワに向かい呼びかけ頬擦りを繰り返す阿修羅を呆れ顔で見て坂田がヘッと笑う
「結局田植えという田植えはやってなんだな俺等;」
京助が鞄というには薄すぎる袋を背中でブラブラさせながら言った
「そうだねぇ~…ただ昼飯食って踊る大走査線やっただけっぽいねぇ~」
南が笑った
「あっくんお兄さん」
悠助が阿修羅の服の裾をクイクイ引っ張った
「何だ? 竜のボン?」
阿修羅がハニワに頬擦りしたまま悠助を見下ろした
「ハニワに何か書いてあるよ~?」
悠助が言う
「ああ~ソレはホラ、名前か何か書けって言われたじゃん?」
京助が足を止めて振り返った
「そういや…で? なんて書いたんだ?」
中島が足を止めた
「たっ!!;」
中島にヨシコがぶつかる
「いきなり止まらないでよ!!」
そしてヨシコが案の定怒鳴る
「避けていきゃいいだろが…イチイチ怒鳴んなってーの」
ヨシコの横をすり抜けて中島が阿修羅の側に歩いていく
「っ…ムカつくわ…!」
ダンッ!! と地面を踏んでヨシコが言った
「…お前…なんでこんな言葉思い浮かぶかナァ;」
南が呆れた笑いを京助に向けながら裏手で突っ込む
「やっぱお前【類友】の類体質なんだな」
坂田が京助の肩を叩いた
「竜のボン…なんつー…;」
阿修羅が深い溜息をついた
「いいじゃんか!; 何となくだよ何となくッ!!;」
京助が言う
「なんて書いてあったんだ?」
少し遅れてきた中島が背丈を利用して南の上からハニワを見た
「…カンブリ」
プっと噴出しながら慧喜が言う
「はぁ?;」
中島がすっとんきょうな声を上げた
「カンブリ」
京助がリピートして言う
「…カンブリ…」
「何でまたカンブリ…」
「命名カンブリ?」
3馬鹿が京助を見る
「…油性で書いたんだな」
坂田が聞くと京助がエセっぽい爽やか笑顔で親指を立てた