小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

リレー小説『暗黒と日記』 第三話

INDEX|1ページ/5ページ|

次のページ
 

リレー小説『暗黒と日記』 第三話



「あはははははははははははははははははははははは」

 突如として少女Bがけたたましく笑いだし、僕の鼓膜をビリビリと震わせた。
 目の前で笑い続けている彼女を見つめながら、思わず後ずさりして身構える。

 つ、ついに謎の少女が正体を現わすのか?!

 それとも、さっきみたいな怪奇現象がまた起こるのか?!!

 日本刀で胸を突き刺された少佐。噴き出した赤黒い鮮血と、虚ろに濁った瞳。
 その光景が再び脳裏に浮かび、ゴクリと唾を飲み込む。

「八朔、ビビリすぎぃ〜!」
「なんつー顔してんだよぉ」
 笑っていたのは少女Bだけじゃなかった。
 小唄も少佐も柏原も、みんな僕を見て笑っている。

 みんな、おかしいよ!
 なんでこんな状況で呑気に笑っていられるの?!
 僕の第六感はビービーと警報を鳴らしっぱなしだっていうのに!!!

「大丈夫だって! 八朔」
「きっと行ったら楽しいよ?」
 みんなが僕を囲んで励ましの言葉を告げている。なんか僕だけがワガママを言ってるみたいだ。
 そう言えば、こんな状況が小学校の時もあったな。
 友達から手を差し伸べられても水が怖くてプールサイドで固まっていた僕。その背中を押してプールの中に突き落としたのが小唄だった。
 あの時は(なんてやつだ!)って憤慨したけれど、今じゃクロールだって潜水だって余裕で泳げる。
 小唄は「お前が泳げるようになったのは俺のおかげだ」なんて言ってたな。 

 おかしいのは……僕なのか?

 お遊びの肝試しでビクビクしている僕が異常なの?
 みんなと一緒に笑っていれば、僕も楽しくなるの?

 どちらにしても、この場の空気は僕がこのまま帰ることを許してはいなかった。
 観念して首を縦に動かす。

「よし! じゃあ先にじゃんけんしとこうぜ! 負けたやつは音楽室からひとりで戻るんだぞ!!」

 小唄がやけに嬉しそうに宣言した。