盲想少女 ガラシャさん
あまり汗を掻きたくなくって、昨日から水分を取らなかったのが良くなかった。
ベッドの上で意識が戻ったため、自分を覗き込んでいる、かわゆい女の子3人がいっぺんに視野に入ってくる。
しかも、近い、近い、近いーーっ!!
ズッキューン
ぐはっ
再び意識が遠のきそうになるが、かわいもの見たさに現世に踏みとどまる!
で、あ〇にゃんの他に心配そうな顔であたしを見ていたのは、新宮寺 萌花(しんぐうじ ほのか)ちゃんと、六条 花帆(ろくじょう かほ)ちゃんの二人だった。
二人は、あ〇にゃんの親戚の子で、共に高校一年生だそうだ。
どちらの苗字も高貴っぽいなぁ・・・ それに何だかお金持ちの匂いがするぞ。
二人とも名前に”花”の字が入ってるからってわけじゃないと思うけど、あま~い香りがする。
あ゛ーーー もう、夏休み後半は、この娘たちと此処にいられるだけで いいや~ いいや~ いいや~
次に気がついたら、お部屋のシャンデリアには、明かりが点いていた。
し、しまった。 大切な時間を寝て過ごしてしまった。 あぁ、これじゃ昨日までの夏休みと変わらないやん。
「あっ、気がついた? 良かったぁ。 ガラシャちゃんのお母さまには、わたしがメールしておいたから心配しないでいいよ~」
あぁ・・岩清水さんは、とても優しい娘だぁ・・
そうか、前にママの携帯を借りたからアドレスは知ってたんだっけ。
「あ、あたしったら、突然倒れて迷惑かけちゃって、ごめんなさい」
「ううん。 今日はわたしのうちに泊めますって、話しておいたから心配しないで休んでてね」
『うほっ。 すっごいぞ。 早速、生あ〇にゃん抱き枕が実現しちゃうかも~』
「でも、ここって、岩清水さんのお部屋じゃないの?」
「ここは、ゲストルームの一つなの。 だから気にしなくても大丈夫だよ。 何日泊まっても平気だからね~」
『あ、明日うちから荷物を取って来ます。 だから永住させてください』
思わずそう口から出てしまいそうで、布団の中で自分の腕を思いっきりつねった。
夏休み後半は、思いがけず新しい友達(しかも超かわゆい)も増え、とてもハッピーに過ごした。
この間のエピソードは山のようにあるので、またの機会に報告したい。
次回の更新をお楽しみに・・・ ココログオンライン小説「夢の中」に最新話が先に掲載される予定です。
作品名:盲想少女 ガラシャさん 作家名:a-isi