つぶやき詩集 (2)
されど・・写真
写真とは真(まこと)を写す業
好奇心と疑いの気持ちを
記録し、記憶する手段
そして、それを主観的表現で
伝える媒体
撮る者がシャッターを押すとは
撮る者の経験、技術、感性が終結して
表現者に代わる瞬間
その指に伝わる熱意と情熱が
素晴らしい被写体との出会いを
確かなものにしてくれる
カメラは道具
技術は手段
それがいい写真を
撮らせてくれることは無い
いい写真とは
撮る者の歴史、人生観、心が
乗せられて写された写真一枚
そして、その一枚が
観る者の心に感動を生み
心に何かを遺していく
100枚の中の一枚でなく
オンリーワンの一枚を求めたい
時に優しく
時に緩やかに
時に情熱的に
オンリーワンを遺したい
そのオンリーワンが
被写体と撮る者との歴史の
証拠になっていく
この一枚が・・・
この一枚が在ったから
この一枚に出会ったから
この一枚を見つけたから
そんな一枚を遺す
撮る者になりたい
撮り続けたい
誰にとっても大事な一枚
それは時として
忘れかけていた臨場感を
思い出させてくれる
忘れかけていた感情も
甦らせてくれる
忘れかけていた感触さえ
思い出させてくれる
たかが写真
されど写真
作品名:つぶやき詩集 (2) 作家名:Riki 相馬