待たせてゴメンね♪
初めてのデートに僕たちは心浮き立っていた。
僕たちは高校二年でクラスは隣同士、授業が一緒じゃないのがちょっとだけ不満。
その日までの僕。いつも教室の廊下ですれ違い様にちょこちょこっとからかって、それに彼女が反応する。そんな時の彼女がとっても可愛くて、僕は懲りずに、そして飽きずにからかっていた。
ところがその日はなぜか、虫の居所が悪かったのか……彼女が怒って言った。「そんなに私のことが嫌いなの!?」
そしてそのくりくりっとした可愛い瞳から、キラッと光るものが一筋流れた。
彼女の涙に焦った僕は、思わず口走ってしまった。
「ち、違うよ。好きなんだよっ!」と。 すぐにあっと気付いて、固まったまま彼女を見ると、泣き顔に口だけ、「えっ?」と言う形で止まっている。
くしゃくしゃの顔も可愛いなぁ〜などと頭の片隅でにんまり笑いながらも、僕は覚悟を決めた。
「あっ、あのう…だから、君が好きなんだ。好きだからつい……ゴメン!」
そう言いつつ頭を下げた。
顔をあげると彼女の瞳と出会った。その目は優しく微笑んでいる。
うん? あれっ?!
「ホントなら嬉しい。私も本当は君の事が好きだったの……」
彼女の言葉に思わず僕は、右手の指を二本突き立ててVの字を作り
「イェーイ!」と飛び上がった。そして胸の動悸を無理に抑え、
「僕と付き合って下さい」と、神妙な顔で言いながら、彼女の前に右手を差し出した。
ドキドキ、ドキドキ……僕の心臓が危ないっ!
その時彼女の手が僕の手を掴んだ。僕たちはぎこちない握手を交わした。
――あの時はマジ焦ったよなぁ〜。
あの後僕たちは、学校の帰りに待ち合わせして、少し離れた公園で二人きりで色んな話しをしたんだよなぁ。やけに懐かしく感じちゃう、ほんのちょっと前のことなのに……。「さっきから何をニタニタしてるのぉ〜?」
京子が僕を見て笑っている。
「いや、何でもないよっ」
そう言って彼女の手を取ると、ぎゅっと握って歩き出した。
京子とはあの日以来、学校の帰りはいつも一緒だ。偶然にも家が同じ方向だと分った時は嬉しかった。
「もうすぐだよ」
――僕たちは今、隣町の映画館へ向かっていた。
初めてのデートは京子が見たいって言っていた映画に決定した。僕は京子にぞっこんだったから。 ようやく映画館に着いて、入口でチケットを二枚買って中へ入った。
薄暗いけど客が少ないのは見て取れた。あまり人気がないのかもしれない。それでも映画が始まると、京子は真っ直ぐに前を見つめ、僕も京子に習った。
映画の中盤辺りに差し掛かった頃、気付くと僕の左肩に、京子の頭がちょこんと載っていたから、僕は意を決してごそごそと左手を移動して、そう〜っと京子の背中を這い、そしてやっとのことで肩まで到達した。そしてふぅ〜っと大きく息を吐き出した。どうやらいつの間にか息を止めていたらしい。
肩を抱かれた京子は何も言わず、うっとりと映画に見とれている。すると映画の中の男女が接吻を始めた。それは僕が認識しているキスとは違っていた。もっと深く艶めかしいもので、舌先が明らかに相手の口の中に入っていて、互いに吸い合っている。そう思った途端に僕のジュニアがいきなりむくむくっと首をもたげてきた。
「あっ!」
思わず僕は左手に力を込め、京子の身体を自分の方へ引き寄せ、同時に右手は京子の頬を下から包み込むように持つと、顔を僕の方へ向け、そのまま僕の唇を京子の唇の上にダイブさせていた。もしタイムを測っていたとしても、多分五秒もかかっていないだろう。初めての僕にしては上出来だった。 京子は一瞬身を硬くしたが、逃げたりはしなかったから、僕は気を良くして何度も何度も京子の唇を吸った。京子の唇は柔らかく蜜の味がした。途中で何度か歯と歯がぶつかり嫌な音を立てたが、お構いなしに僕は京子の唇を吸い続けた。数分後、さすがに疲れたが、興奮は醒めなかった。
――映画館を出た時には、僕たちはもう恋人同士だった。京子の全ては僕のもの、そんな気になっていたからか、僕のジュニアは所構わずズボンをツンツンと小突いてくる。
爆発しそうだ!
映画の帰り、僕は思いついて自宅に京子を誘った。
「買ったばかりのゲームがあるんだ。一緒にやろうよ! ついでに母さんにも紹介するからさっ」
そう言うと京子は、少し安心したような顔をして「うん」と頷いた。 家に帰って玄関のドアを開けようとすると、鍵が掛かっているらしくて開かない。
本当は今日、母さんが夜まで帰って来ないのは分ってるくせに、
「あれぇ〜? 買い物でも行ったのかなぁ」
と、とぼけて言いながら、自分の鍵でドアを開けると、
「ま、入って。すぐ帰るだろうから……」
と、また一つ嘘をついて京子の背中を押した。
僕の部屋は二階だったから、京子に場所を教えて先に上がらせた。
僕は台所でジュースとクッキーを漁って、それを持って二階へ急いだ。
部屋へ入ると、京子は突っ立ったままで、もの珍しそうにあちこち見回している。「おいおい、そんなにじろじろ見るなよ〜。照れくさいだろ」
「だって男の子の部屋って初めてなんだもん」
上気した顔で京子が笑う。 僕はこう見えて結構綺麗好きだし、母さんが掃除はしてくれてるから、内心では
『どうだい、綺麗だろ!』って威張ってた。
「まぁいいから適当に座ってよ」
そう言って部屋の真ん中にクッションを一つポンと置いて、京子をそこに座らせると、ジュースとクッキーを勧めながらゲームをセットした。
最初の内は、二人ともゲームに熱中していたけど、ふと横を見ると、すぐそばに京子のちょっと上を向いた可愛い鼻と、その下には、僕がさっき初めてキスした唇があった。突然僕の下半身が蠢きだした。
その時京子は僕の視線に気付いてこっちを向き、何かを言おうとしたが、その口は僕の口で塞がれそのまま僕たちは横倒しに倒れた。
京子は咄嗟に僕を押し除けようと腕を伸ばしたけど、僕は両手で押さえ込み京子の上に体重をかけ、また唇を吸った。少しすると京子は諦めたように動かなくなった。欲望に押し流されるように僕の唇は、京子の首筋を這い、ブラウスの少し大きめに開いた胸元へ辿り着き、そして谷間に顔を埋めた。
僕が谷間の香りを嗅いでいると、心なしか強張っていた京子の身体が解れていくのが分った。――京子も喜んでいる――僕は図々しくも勝手に、そう思い込んだ。
僕は一段と大胆になり、京子のブラウスのボタンに手を掛け、一つひとつ外していった。
京子は形ばかりの抵抗を見せたが、僕は構わず、ボタンを外し、京子のブラジャーを眺めた。白地に可愛い苺の模様のブラジャーだった。
制服の上から見た時は、そんなに大きいとは感じなかったのに、いざ目の前にした京子のおっぱいは、ブラジャーからはみ出しそうなほどに実っていた。漫画ならここで涎が垂れるところだ……等と考えながらふと口元を拭って驚いた。
――何と、本当に垂れていた。〔うひゃ〜 まんまやん!〕
もうここまで来たら我慢なんてできない!