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伊織千景
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novelistID. 67
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ツキアカリ
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「君が言っていたこと。少しわかったかもしれない。僕は君に僕が視ている星空を見せることはできない。けれど、これが星の降る夜空だよ」
しばらくの沈黙の後、彼女は一言つぶやいた。
「とても、綺麗ね」
搾り出したかのような、震えた声でそういった。
もちろん、彼女の視力が突然戻るなんてことはない。
彼女は僕らが視ている夜空を見ることはできない。
しかし、確かに彼女は視ていた
視えない星空を、視ていた。
作品名:
ツキアカリ
作家名:
伊織千景