自由 (詩集)
アキハバラ
ずんずんずんずん
足元からくる振動が心地よい
小動物が慌てて木の上に逃げた
キェーーーっ っっーんん
怪鳥の鳴き声が森に木霊し
消えてゆく
オレは オレの体は
どうなってしまったのか
見えるのは鋭い爪のある足
暑さと怒りが沸点に達し
何か魔物に姿を変えたか
それとも
精神が乗り移ったのか
ずんずんずんずん
湿気を含んだ暑さ心地よい
草食動物が警戒の鳴き声をあげる
ぱぁぁぁぁああぁぁぱぁ~~
いくつもの木霊が混じり
消えて行く
ずずんずずん
体の中から湧き起こる充実感
こんな充実感は久しぶりだ
オレは立ち止まり風の匂いを嗅ぐ
確かにいる獲物の匂い
姿勢を低く足をしのばせ
進んで行く
いるぞいるぞ
無防備なやつらが
うじゃうじゃといる
オレが見えていないのか
のんびり歩いている
その中へオレは
飛び込んで行く
車は加速した
衝撃が伝わってくる
オレは歓喜の声をあげる