こんな気持ち
やはり、京ちゃんからのメールが届いていた。
読むのが怖い……という気持ちを押し殺し、そっとメールを開いた。
読んでいく内、涙がこぼれそうになった。
半泣き状態になり、私は無理やり会話を中断して、仕事の電話を切った。
携帯をじっと見つめ、そして京ちゃんからのメールを何度も何度も繰り返し読んだ。
メールにはこう書かれていた。
「ゆうか、さっきからLoveうさぎがハートを持ちながら僕を睨んでいるんだ。
“ばか、京ちゃん、素直になってね”って。
愛と猜疑心どっちが強いかって、ゆうかと僕のふたりの気持ちの方が強いんだよね。
またメールするからね。
迷惑かけて、困らせて、心配させてごめんね。
これからも……よろしくね!
ハート、ハート、好きだから……心から」
私は事務所の裏で、溢れてくる涙を拭いた。
そして「Loveうさぎ、ありがとう!」と心の中で呟き
作っておいて良かった! と、心底思った。
こうして私たちは、最初に訪れた小高い山をひとつ越えた。
これから先、もっともっとたくさん、色んな山を越えることになるのだろう。
しかし、出来ることならこのままずっと、いつも一緒に、
ふたりで手をつないで歩いて行きたい。そう思った。