こんな気持ち
そして最後の、3通目のメール……
「大好きなんだよ。ゆうかが。本気なんだよ。
だからこそなんだ。わかってくれるのかなぁ。
好きになったから、こんなに苦しいんだ。
もう若くもないこんな歳の俺が、こんなにつらくなったのは初めてだ。
何なんだ、このつらさ。猜疑心なのか」
3通すべてのメールを読み終えても、私の頭はまったく理解せず、その動作を3度繰り返してようやくわかった。
京ちゃんが、なぜこんなメールを書いたのか。
それは信じられないほどの、京ちゃんの嫉妬心の表れだった。
私は、それに気付いてすぐに京ちゃんにメールした。
「私、京ちゃんと別れるなんて絶対いやだから!!
京ちゃんが好きなんだから…。
いままでの私なら、きっと泣きながら忘れる努力をしたと思うよ。でもいやだ。
京ちゃんは私の王子様なんだから……お願い」
仕事に行く時間が迫っていたので、メールの返事を待つより直接話をしようと思い、携帯に電話した。
呼び出し音が鳴る。すぐに切られた。
もう一度掛けてみた。
しばらく呼び出し音が続いたが、転送された。
もう話もさせてもらえないの……?
つらかった。
その時の私は、心が深い底なし沼に沈んだかのごとく、周囲が真っ暗で、何も見えない状態だった。
私は急いで京ちゃんの携帯にメールを送った。
短い文章なのに、焦って何度も打ち間違え、やっとの思いで送信ボタンを押した。
「こんな気持ちのままじゃあ仕事になんか行けない。
お願い、話をさせて!」
少しして、京ちゃんから返信が届いた。