こんな気持ち
私たちはバスに乗ってお互い
「今日はよく走ったね〜♪」と、笑い合った。
そして心の中で手を合わせた。
「乗り合わせた皆さん、本当にごめんなさい」と。
おかげで、添乗員さんにはしっかり顔を覚えられたかも……。
「今度はもっとゆっくり来たいね〜」と、ふたりで話しながら、京ちゃんが降りるバス停が近づくに連れ、私は時計ばかりを何度も見た。
そして囁くように言った。
「まだ一緒に居たい……」と。
あまりに小さな声だったから、京ちゃんには聞こえなかったのかも知れない。
京ちゃんは何も言わなかった。
もし聞こえていても、何も言えなかったのかも知れない。
だって次の日は、お互い仕事が待っているのだから。
本当は我儘を言って甘えたかった。
私は京ちゃんといると本当に子供になれたから……。
京ちゃんこそ、私の探し求めていた人だと思った。
私は普段から詩を書くのが好きで、ある時こんな詩を書いていた。
そしてそれは、京ちゃんも読んで知っていた。