こんな気持ち
心が満ち足りている時、自然に詩が書ける。
悲しい時も同様だけど……。
ふたり掛けのシートの窓際の席にひとりで座って待った。
途中のバス停Fでトイレ休憩の時、バスを降りてトイレに行き、バスに戻る途中の自販機で、私は何か飲み物を買おうと立ち止まり、自分用にコーンスープを買い、京ちゃんのためにお茶を買おうと考えたが、もしかしたら京ちゃんのことだからもう買ってるかも知れない。
そう思ってやめた。
そしてバスに戻ると、それをどこかで見ていたのか?
と思うようなタイミングでメールが来た。
もちろん京ちゃんから。
「何か飲み物を買っとこうか?」
おんなじタイミングでおんなじこと考えてたんだぁ〜♪
おかしくって、思わず顔がにやけた。
私は「自分のは今買ったから大丈夫だよ♪」というメールを返した。
バス停Fから30分ほど走って、ようやく京ちゃんの待つバス停に着いた。
そこには懐かしい京ちゃんの顔があった。
バスの外と中で、私たちは手を振り合った。
ニコニコ笑顔で乗って来た京ちゃんは、まるで遠足に行く小学生のようだった。
おまけに、少し太めのからだには似合わない、小さめな可愛いリュックを下げていた(笑)。
そして私の隣の席に落ち着くなり、そのリュックをガサゴソあさって、中から何やら取り出して私に渡すと
「もらったんだけどあげるよ! チョコレートみたいだから…食べるでしょ?」と言った。
それは可愛いクリスマス用の紙の小袋に入っていた。
小袋から取り出すと中には可愛い缶入りのチョコレートが入っていて、缶の蓋には、サンタクロースがマフラーを編んでいる、可愛いイラストが入っていた。
思わず「わぁ♪ 可愛い」と、京ちゃんに微笑みかけた。
すべてが可愛いづくしだった。
バスには女性の添乗員さんが同乗していて、これから行く先のことなど、色々喋っていたみたいだったけど、私たちの耳には全く入らなかった。
私たちは完全にふたりっきりの世界に潜行していた。
隣同士に座り腕を組み、そして手もつないでいた。
いくら話しても話しても話が尽きることなどなく、ただ楽しかった。