掌編小説 「雪の鳥」
「夢破れて山河あり」 そんな一節が頭を過ぎった青年の前には、ただ真白き世界、深い雪の世界が広がっているだけだった。
彼はまだ若い。しかし、幼少の頃からの夢を抱えこれまで生きてきたのに、ある事情で絶望というものを知ってしまった。
ある者は「まだまだやり直せるさ」と彼を励まし、またある者は「もうその夢は諦めて他を目指せ」と、気安く言う。
だが彼は、それらの言葉に耳を傾けるだけの気力すら失くしていた。
そんな彼が目指したのは最果ての地。
雪の中で生涯を終える――そんな切ない思いにとり憑かれてしまっていた。そしてやって来た雪の原。
キィーンと硬い冷気の中
静寂すり抜け何かが掠める
しんしんと降り積もる雪原
真白き世界 跳ぶは雪うさぎか
それとも 夢の幻か
彼はまだ若い。しかし、幼少の頃からの夢を抱えこれまで生きてきたのに、ある事情で絶望というものを知ってしまった。
ある者は「まだまだやり直せるさ」と彼を励まし、またある者は「もうその夢は諦めて他を目指せ」と、気安く言う。
だが彼は、それらの言葉に耳を傾けるだけの気力すら失くしていた。
そんな彼が目指したのは最果ての地。
雪の中で生涯を終える――そんな切ない思いにとり憑かれてしまっていた。そしてやって来た雪の原。
キィーンと硬い冷気の中
静寂すり抜け何かが掠める
しんしんと降り積もる雪原
真白き世界 跳ぶは雪うさぎか
それとも 夢の幻か
作品名:掌編小説 「雪の鳥」 作家名:ゆうか♪