つぶやき詩集 (1)
君を・・・
ふと！足を止めて
どこからか流れてくる
メロディに耳を傾けてみる
微かだった音が
映像と共に
脳裏によみがえる
このフレーズに
心が動いた時
君が横にいたね
ハンドルを握る僕を
じっと見つめていた
僕は前をみたまま
君の手をそっと握った
このメロディと共に
君は泣いたね
大粒の涙が頬を
伝って僕の手に落ちた
止まらない涙を
拭おうとせずに
ただじっとしてた
いつ聴いても同じ所で泣く
君を僕はからかったね
ムキになる君を
笑いながら見ていた
この曲には
君の愛がたっぷり
つまっていたね
時折口ずさむ
君の唇を
僕の唇で塞いだね
それを嫌がらず
抱きついてきた
そして朝まで
何回聴いただろう
腕の中の君は
もういない
このメロディを
口ずさむ君はいない
あの涙を流す君は
いない
ふと！流れてくる
メロディに足を止め
耳を傾ける
風が冷たくなってきた町並み
には君の面影は見えない
秋が深まる季節に
いつも思い出す
このメロディ
そして、君を....
作品名：つぶやき詩集 (1) 作家名：Riki 相馬