つぶやき詩集 (1)
傍観者
その閃光は雲間から地上に突き刺さっていた
そこにはさ迷い、逃げ惑う人たちがいた
俺はただ傍観者になるだけしかできない
あの壁の向こうに泣き叫ぶ人々がいたとしても
何ができるのだろうか・・・
あの窓ガラスに押し付けられた手のひらは
何をつかめるのだろう
俺はそれをただ傍観するしかできない
その中には無数の行き場のない魂がさ迷っている
その中では美しい肉体は存在していない
俺はただの傍観者に過ぎない
だけど思うことはできる
その思いを語る事はできる
そして、伝えていくことはできる
そんな事を何度も何度も自問自答しながら
ただの傍観者でいる
作品名:つぶやき詩集 (1) 作家名:Riki 相馬