つぶやき詩集 (1)
いつのまにか
ひとりの少年が生まれた
いつかは利発な子に・・・
願われて育った
いつのまにかロカビリーにはまっていた
そして
いつのまにか映画小僧になっていた
いつのまにかジョン・ウエインがヒーローだった
いつのまにか十万馬力の少年と呼ばれていた
いつのまにか町中を駆け巡り、傷だらけの毎日
それでも、ロカビリーと映画は見逃さなかった
いつのまにか柔の道に陶酔していった
いつのまにか
いつのまにか
いつのまにか少年は早い春を知った
それでも映画を生活の肥やしにいていた
いつのまにかロカビリーがロックに変わっていた
いつのまにかカメラ小僧になっていた
いつのまにか
いつのまにか
自分の道を見つけた
少年は胸一杯の好奇心を持って生き始めた
いつのまにか映画を作り始めた
いつのまにか動くものと止まるものを楽しんでいた
いつのまにか青年になっていた
何をどう表現したいのか
思考錯誤の毎日
暗い部屋に閉じ籠り
自分の世界を見つけていた
いつのまにか
いつのまにか
何処へ行けば
何をどうすれば
道が開けるのか
いつのまにかカメラで飯を喰っていた
いつのまにかシャッター音が快感になっていた
いつのまにか
いつのまにか
終点のない道に生き甲斐を見つけていた
しかし、映画小僧は変わらなかった
ロカビリー、ロック、ロッケンロール
いつのまにか変わらねモノたちに囲まれていた
いつのまにか
いつのまにか
いつのまにか
作品名:つぶやき詩集 (1) 作家名:Riki 相馬