つぶやき詩集 (1)
黄昏
都会の黄昏は
妙な世界を魅せてくれる
春風に誘われて
ぶらぶらと
誰に会う訳でもなく
何処に行くでもなく
ただ、灯りの消えた
ビルの谷間をぶらぶら
人も疎らな路地に
タングステンの灯りが
足は自然に
ブルージーなジャズが流れる
コーヒー屋に向いていた
何も決めず、何も求めず
一杯のブレンドを喉に運ぶ
人の話し声がピアノの調べとマッチしていた
そんな春の都会の黄昏時
コーヒー屋の片隅で
何も答えず、何も話さない
そんな時間を楽しんでいる
作品名:つぶやき詩集 (1) 作家名:Riki 相馬