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ef (エフ)
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夢の途中9 (270-306)

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鏡の前に顔を近づけると、両手で顔を挟み、持ちあげ、表情を作った・・
グッと口角を上げると、両方の頬にエクボが出来る・・
首の下に香織の白い乳房が続く・・・
香織は自分の両手を乳房に添えて持ちあげた・・・
子供を産まなかった香織の乳房はいまだに張りが在り、美しい谷間を作っていた。
ただ左の乳房の下側に大きな手術の跡が在ったが・・

何時の手順で何時もの仕草をしても、先ほどからドキドキ心臓の鼓動が止まらない・・・

今更ながら、こんな時が自分に来るとは・・・
神戸を出る時には思いもよらなかった。

もう誰も愛さないと心に決めたのに、優一がいつの間にか心の中心に住み付いてしまった。

これも運命なんだ・・・
私達は出会う運命だったんだ・・・
お互い少し廻り道をしても、きっとこうして出会う運命だったんだ・・・
先の事は分からない・・・・でも、・・・・・今は自分に素直になろう・・・・

若く無くっても、
今は、自分に素直になって、彼との時間を大切にしたい・・・・

そう自分に言い聞かせる香織であった




その頃優一も自室でシャワーを浴びていた。
今夜は年甲斐もなく高揚した気分だった♪

嵐山公園の石段でよろめいた香織を受け止めた時、
腕の中の香織の身体から微かに甘い香りがした。

これ程近くに香織を感じたのも初めてで、彼女の香りと体温を感じた途端、優一の中のスイッチが入ったのだ。

抱き寄せた時、香織の口元は【竹むら】を出る時に引き直したピンクのルージュがまだ水々しく濡れていて、優一は吸い込まれるように唇を重ねた♪

離婚前も長期に渡り家を空ける事が多かった優一は、妻と親しく睦合う事も無く、元々【風俗店】などは嫌っている優一なので、セックスは愚か、口付けすらするのは六、七年ぶりの事だった。

熱く甘美な口付けだった。

最初躊躇いがちに合わせた唇・・・
香織の腕が自分の背中を抱きしめた時、やっと優一は確信を得る事が出来た。
あとは互いの激情が絡み合うように唇を重ねた♪

まだ紅葉のハイシーズンと言えないまでも、灯りのついた公園を散策する人の往来は少なくない・・・

白い月は遠慮して?雲間に隠れたとしても、人の流れを止める偶然が二人に夢のような時間を与えた。

ひどく長い時間そうして居たような感覚もあり、逆にほんの一瞬の出来事であったようにも思えた・・・

その後二人は車に戻り、今夜の宿であるホテルフジタに向かった。

二人は車の中では殆ど何も話さなかった・・・
けれど、変速レバーの上で二人の手はしっかり重なっていたし、香織の頬に満足気な微笑みが浮かんでいた♪

優一は車を運転しながら、
(こうなると・・・ホテルではダブルの部屋を二部屋とってあるんやけどなぁ・・・今さらツインに取り直す訳にもいかないしなぁ^^;・・・)等と、どうでもよいことを頭の中で呟いた。

すると、別の優一が、
(そんなん第一、キスを許してくれた香織さんやっても、【最後の一線】まで許すと言うた訳でもないし(-。-)y-゜゜゜・・・)とツッコミを入れ、

するとまたまた別の優一が、
(いや、絶対大丈夫!今さら何言うてんねん!今香織さんを抱きしめんと、いつ抱くねん!恥かくことを恐れたらアカン!(^^)v)と励ました。

優一は香織の手の甲をギュッと握りしめた。

俯いていた香織が顔を起して優一を見つめると、掌を返して優一の手を握り返した♪

そして恥じらい顔で微笑むと、そっと肯いた♪
  (#^.^#)(*^_^*)




香織は持参していた薄い藤色で、光沢のあるシルクで出来たパジャマを着て窓辺の椅子に腰掛けて居た。
優一と交わした約束の30分の時間は既にかなり過ぎていた・・・

(遅いわね・・・忘れて寝ちゃったのかしら?(・_・;)・・・・・)
香織がそう思った時、部屋のドアが小さな音でノックされた。

トントン・・・トントン・・・
香織の顔は一瞬にして華やぎ、走ってドアロックを外した。

「やあ♪(^v^) ビール、持って来た♪」
優一は両手に缶ビール、両脇に乾き物の袋を挟んで立っていた。
「あははは♪^^;・・・嵐山では呑めへんかったからなァ、おつまみとビール持って来たんや♪」

(・・・(;一_一)アラ、まだ呑む気?
ビールもおつまみも部屋に備え付けの冷蔵庫にあるじゃない・・・)

香織はプイッと横を向いた・・・

「アレ?香織さん・・・ビールよりワインが良かった?^^;・・・・」

『(ToT)バカっ!』

そう言って、香織は優一の胸の中に飛び込んだ。
はずみに、優一の手と脇からバラバラとつまみの袋と缶ビールが落ちた・・・・

『ずっと待ってたのにィ・・・・・ずっと今か今かと待ってたのにィ~~~!(ToT)
ビールなんて、何時でも呑めるでしょ~~~!
私は今、アナタに・・・アナタにィ~~!(ToT)/~~~』

そう言って、優一の胸の中で泣きじゃくった・・・・



香織は優一の腕の中で泣きじゃくった。

優一は香織の肩を抱いて、ベッドの裾に並んで座る。
「ゴメンゴメン^^;・・・・君の気持も汲まんと・・・・
堪忍やでぇ・・・アカンな僕は・・・いざと成ると照れがでてなァ・・・うん、この通り、ゴメン!<(_ _)>」

『・・ん、もォ~~♪(#^.^#)』
「ありゃ?今泣いたカラスが、もう笑ろた?^^;・・・・
ホンマはなァ・・・こうしたかったんや♪(^_-)-☆」
『あ!・・あうっ!(・_・;)』

いきなり香織を抱き寄せ、優一が唇を重ねた・・・・
香織も優一の背中に手を添える・・・・

何度も、何度も、顔の向きを替え、貪るように激しく唇を重ね合う二人・・・・
二人は抱き合ったままベッドの上に倒れた。

上になった優一は香織から唇を離し、

「エエ香りやなァ♪(#^.^#)」
『この香り、御存じ?(#^.^#) 【タブー】って云うの♪』
「ふ~~ん、タブーか♪今日公園で君を抱きしめた時から、良い匂いやなァ~、と思てなぁ♪コレが香織さんの匂いなんやなァ♪(^。^)y」
『そうよ♪優一さん・・・・もう、香織と呼んで?(#^.^#)』
「え?  ああ、香織♪・・・(=^・^=) 」
『アナタ♪(#^.^#)』
「香織♪(=^・^=)」
『アナタ♪(#^.^#)』


こうして二人は、やっと熱く甘い夜を過ごせた♪

       (^_-)-☆