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夢の途中9 (270-306)

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優一の声は瑛子には届かず、大学前の横断歩道を走って渡った瑛子の背中は
瞬く間に小さくなって消えた・・・


優一は瑛子を送り届けた後、自宅近くの駐車場に車を停めた。
ふと、瑛子の座っていた助手席を見ると、何やら小さく折りたたんだ布が・・
手に取ると、白地の四隅に蒼い桔梗・藤・蓮・紫陽花の花の刺繍を施したハンカチ・・
「あ!あの時の・・・」
優一は喫茶店で、瑛子が目じりの涙をぬぐったそのハンカチを思いだした。
      (#^.^#)♪
優一はまた瑛子に逢える理由が出来たと思った♪
( 今夜、寮に電話しよ♪♪♪(*^。^*)♪♪♪)


その日の夜、少し緊張しながら瑛子達の女子寮に電話する優一・・・・
♪ルルルル・・・・・ルルルル・・・・ルルルル・・・♪呼び出し音が鳴る・・・・
優一の心臓が、その音に合わせるように鼓動する・・
♪ルルルル・・・・ルルルル・・・プツッ・・『もしもし、都寮です』
「・・・?・・・あ!瑛子ちゃん?・・・僕・・林です!(*^^)v」
優一は偶然女子寮の公衆電話に出た瑛子の声に素早く反応出来た。
『え?・・・あ!林君?・・・うわ~♪今日はありがとう♪助かりました♪(#^.^#) 」
「間に合った?」
『あ、・・うん、何とか♪^^;・・あ、・・大井さんに用事?チケットの事?』
「あ、いや、・・瑛子ちゃん、今日ハンカチ忘れたやろ?
僕の車の中で」
『え?あ、あれ林君の車の中に?^_^;いややわぁ~♪探しててん♪(#^.^#)良かった~♪』
「明日寮に持って行くわ♪(^_-)-☆」
『そんなん悪い~~!(+_+)』
「かまへん♪明日はヒマやし♪(^。^)y-.。o○何時が良い?」

        ♪ (#^.^#) ♪ (*^。^*) ♪



優一と瑛子は11時に、またあの【喫茶・忘れな草】で逢うことになった♪           
次の日優一がその喫茶店に行くと、約束の時間の10分前にも関わらず、瑛子はもう来ていた♪
優一も待ち合わせ時間は守る方だが、瑛子はその上手かも♪
「はい、ハンカチ♪(^_-)-☆」
『ありがとう♪(#^.^#) ごめんね、私、うっかり者やから、林 君の車の中で落としたなんて全然気が付かなくて(#^.^#)』
「いえいえ、おかげで瑛子ちゃんに会う事も出来たし、【ハンカチ様様】やで♪^^;  
こう言う刺繍のハンカチって【スワトウ】って云うんやろ?」
『林君、凄い!良く知ってるなぁ~♪ウチのお母さんも、そない言うてたわ♪(#^.^#)』
「これでも一応【機屋】の息子やしな♪(^。^)y-.。o○」
『林君、お父さんの跡、継ぐの?』
「ん~、いや、僕は建築の仕事に憧れてるんや♪道路造ったりダム造ったり(^。^)y-.。o○
 それより、瑛子ちゃん、午後から予定、あんの?(^v^)」
『ん~~~、特にないよ?』
「そしたら、これからドライブいかへん?瑛子ちゃん、あんまり京都の事知らん言うてたやん♪」
『うわぁ~ホンマ?連れてってくれるの?(#^.^#)でも、バンドの練習は?もう一か月しかないやん!
 私も大井さんも林君らのバンドのチケット30枚も捌くつもり なんよ?練習不足で私らに恥かかせたら、承知せえへんからね!(ーー゛)』
「うわぁ~、ごっつ厳しいねんなぁ~(+o+)
 大丈夫!元々土日は皆バイトやらで練習はお休みです♪  
スタジオのレンタル料、結構するから、皆必死ですわ(+_+)・・・」
『林君はバイトせえへんの?あ、ボンボンやから?^m^』
「アホな、零細機屋の息子がボンボンなわけあらへんで・・ 今年の9月までは三条の不二家でウェーターのバイトして てんけど、元々1年間だけって決めてたから辞めたんや。 今は不定期の引っ越しとか学生課のバイト募集の掲示板 見て行くねん。東野も大抵一緒やな♪
 で、まあ今日はタマタマ、スケジュールが空いております  が、お譲さん、よろしかったら如何でしょうか♪(^_^)v」
『はい♪喜んで♪(#^.^#)』



二人は協議の結果、まだ少し紅葉には早いと思ったが、高雄ドライブウエーに行き先を決めた♪(^_-)-☆
優一と瑛子を乗せた白いブルーバードは、五条通りを西に行き、天神側通りを北上する。
宇多野の竹林を過ぎて、北山杉の立派な床柱を縦に並べた材木店の並ぶ道を山手に入ると、もうそこは高雄の入り口にあたる。
やはり街中と違い、車窓から吹き込む風は冷たい。
「瑛子ちゃん、寒ない?」
「うん、大丈夫♪(#^.^#)気持ちイイ位♪」
優一の車は父親のもので、カセットテープは付いているものの、当時はまだ8トラックのカーステレオが主流で、それも父親所有のテープは「ド演歌」ばかりだった
(-_-)/~~~ピシー!ピシー!・・
かろうじてFMラジオのチューナーは付いていて、FM大阪から流れる流行のフォークソング・ポップスがふたりの耳を暫く楽しませてくれた♪
しかしそれも、山手に入ると電波状態が悪くなり、AM放送、それも地元の「近畿放送」が何とか入る程度になる。
山道をしばらく行くと、両側に人家や店が現われてくる。
道路わきの看板に「神護寺」とある。
ここも紅葉が有名な古刹だった。
優一はその看板の指す脇道に左折し、曲がりくねった道を走らせ、ほぼ行き止まりの駐車場に車を停めた。
二人は車を降りて清滝川沿いを歩き、参道の石段を登り始める♪
「瑛子ちゃん、ここからは歩きや♪結構きつい石段やで♪(^。^)y-.。o○」
『ホンマ?しんどなったら林君におんぶしてもらうし♪(#^.^#)』
「・・・(T_T)・・おんぶ・・・・つぶれる・・・(+o+)・・」
『ん、もォ~~!私、そんな重ないよォ~!(ーー゛)』
「あはは、冗談♪冗談♪(^_-)-☆」
『もォ~♪うふふ♪(#^.^#)』



清流の清滝川は、透き通るように水も澄み、冷たい程に感じる・・
実際車内にいた時より、気温は下がっていただろう。
しかし、参道の石段を登り始めた二人は逆に、薄ら汗ばむほどになってきた。
つづれ織りの参道を一折れ、二折れすると、参道は平坦になり、拓けてきた。
『あ、ここ?』
「残念で~した!ホレ、これが神護寺の山門!」
一足先に進んだ優一が瑛子を振り返り指差した。
瑛子は優一の傍まで駆け寄り、指差す先を見ると、
100mほどつづく石段と、その頂上には左右に不動明王が守る、巨大な神護寺の山門がそびえていた。
『うわあ~~♪おっきい~♪(*^。^*)』
瑛子の眼が輝いている♪
優一はここに来て良かったと思った♪

山門を入り、境内を散策する♪
まだ、紅葉には少し早いが、品種によっては赤く色づいたモミジもある。
本格的なシーズンではないにしろ、結構な数の観光客も訪れている。
優一は瑛子を境内端の展望台に誘った。
ここからは水尾の里の山々を見渡すことができる。
水尾の山々はモミジに限らず、漆・ブナ・クヌギの広葉樹が多く、結構赤や黄色に色づき始めていた。
山頂に開けた展望台には土産物やが店を開いている。
そこで優一は、土色の小さな皿を買ってきた。
「瑛子ちゃん、これ【カワラケ】って云うねん。