頑張らない介護
襖を開けて、二人で入っていった。
俺
『お〜い、起きてる〜?
樋口さんが来てくれたよ〜。』
む〜みんさん
『どうも〜、樋口です〜、お加減いかがですかあ?』
親父
『ん?どなたさん?』
む〜みんさん
『ああ、忘れちゃったかなぁ。もう何年もお邪魔して
なかったもんねえ。
靖夫さんと学生時代につるんでいた樋口です〜。』
親父
『ん?ええ?ケンちゃんかあ?おいおい、ケンちゃんかあ?』
俺は、驚いた。
親父の口から、俺の高校時代の親友の名前が出た。
む〜みんさん(樋口さん)も一瞬、驚いた顔で俺の顔を見た。
俺は、む〜みんさんの目をを見てうなづいた。
む〜みんさん
『いやあ、嬉しいなあ。おじさん、覚えててくれたのお〜?
いや〜、俺、感激ですよう。』
親父
『そうかあ、ケンちゃんかあ、なんだずいぶん立派に
なっちゃって。
スーツ姿なんか初めて見せられたから、
わかりゃしねえよ。』
む〜みんさん
『見てよこの頭。もう、白髪だらけでさあ、染めてんだよ。』
親父
『そうかあ、それだもの俺も歳をとったもんだよなあ。』
む〜みんさん
『おじさんは、今年でいくつになるの?』
親父
『・・・・・・・・・。あんれ〜、
いくつだっけかなあ。。。。』
む〜みんさん
『いっぱいとって、わかんねえやあね。あははははっ。
いいじゃん、いいじゃん、いくつだって、こうして
元気でいられるんだからさあ。』
そこへ妻が、お茶とお茶菓子をもって入ってきた。