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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・弐】焼き焦げ

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玄関で膝を抱えたままピクリとも動かない慧喜の横をゼンゴがパタパタと通り過ぎて器用に玄関の戸を開けて外に出て行く
数分後 緊那羅が箒を片手に玄関掃除を始めたが慧喜には声を掛けない
慧喜が栄野家に来てから慧喜の悠助帰宅待ちは日常化していた
朝悠助を送り出した後は玄関でただひたすらこうして悠助が学校から帰るのをを待っている
「……」
そんな慧喜が顔を上げて立ち上がるとおもむろにサンダルを履き戸の前に立った
「あ、もうそんな時間だっちゃ?」
緊那羅が箒を持って一歩戸から離れるとタタタタ…という足音が近づいてくると慧喜の顔がほころんでくる

「ただいまっ!」
「悠助っ!」
戸を開けると同時に慧喜が悠助に抱きつく
「おかえりだっちゃ悠助」
慧喜に抱きしめられている悠助に緊那羅が言う
「ただいま慧喜さん緊ちゃん」
悠助は笑顔でただいまを言った後 慧喜と共に家の中に入った
「……」
そんな二人の後姿をどことなく悲しそうな表情で見ていた緊那羅が再び箒を動かし始めた

「今日は学校どうだった?」
壁に寄りかかり伸ばした足の上に悠助を座らせて慧喜が聞く
「今日はね~まず朝の会で転校生がきてね~」
悠助が学校での出来事を嬉しそうに話すのを慧喜が嬉しそうに聞く
「明日一緒に遊ぶ約束したの」
悠助の髪を撫でていた慧喜の手が止まった
「…一緒に遊ぶのって女?」
慧喜が不安げな目で悠助を見る
「男の子もいるよ?皆で遊ぶの」
悠助が答えるとホッとして慧喜が再び悠助の髪を撫でると悠助が眠そうに目をこすった
「眠いの?悠助」
その後あくびもした悠助に慧喜が聞く
「少し…わ;」
慧喜が少し眠いと言った悠助の頭を抱き寄せて自分の胸につけると悠助の腰の辺りを軽くポンポンと叩き出した
「寝ていいよ?」
悠助の頭に自分の頭を付けて慧喜が優しく囁いた
「…風邪ひくっちゃね;」
玄関掃除を終えて茶の間に入ってきた緊那羅が寝息を立てている慧喜と悠助にかけるものを探しにいった