リブレ
この二人の話はこの後も続き、ようするにこの二人はこの屋敷に入る方法を模索しているということらしい。
ゼロには片方の若者に見覚えがあった。金髪の若者の方だ。
そう、その金髪の若者こそが、ハーディックの息子のジェイクだ。
以前に比べ大きくはなったがジェイクの面影、そして、父親であるハーディックの面影がある。
以前は三人で旅をしていたこともある。その時アニスの村に立ち寄り事件に巻き込まれた。そう、今回と同じような霧が村を覆っていたのだ。
ゼロは二人の若者を少しの間見守っていたが、二人の若者は館に入る方法を断たれて成す術もないといった感じだ。それを見たゼロは仕方なく、姿を現すことにした。
「フッ……二人揃って使えんな、そこをどけ、俺がやる」
「あっ……ゼ…ゼロ!!」
「えぇっ!!」
今ここに運命の歯車が、2つ噛み合う事となった。
ゼロ、そして、二人の若者の行く末には何が待ち受けているのだろうか?
ゼメキス伯爵は、なぜ今になって協定を破るようなことをしたのか?
全ての歯車が揃った時、その時初めて時間[トキ]は刻みだす……。
作品名:リブレ 作家名:秋月あきら(秋月瑛)