笑撃・これでもか物語 in 歯医者
デンティストのドアーを押して入ってみて、まず気付いたことは……、そこにある風景や臭い、それらは日本の歯医者と比べ、特に大きな違いはないということだった。
それでも胸をドキドキさせながら待合室で待つ高見沢、「Mr.Taka…mi…za…wa,…come in, please.」と名前をしどろもどろに呼ばれた。そんなことを気にしている場合じゃない。これからの診療が心配で、恐る恐る治療室へと入って行った。
そしてそこで……マ−クというデンティストに会った。
「Oh ! Fujiyama, Geisha, …. I love Japan.」
マークは巫山戯た冗談を言いながら、強い握手を求めてきた。高見沢は「シャーナイヤツだなあ」と小さく呟きながら、「Nice meet you.」と軽く返し、握手に応えた。
その後、質問されるままに歯の症状について、二、三の会話を交わし、マークは高見沢を診療椅子に座らせる。そしておもむろに、痛みがある親不知の診断を開始したのだった。
作品名:笑撃・これでもか物語 in 歯医者 作家名:鮎風 遊