小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

笑撃・これでもか物語 in 歯医者

INDEX|26ページ/35ページ|

次のページ前のページ
 


 すると、今までモニタ−に映し出されていたタイタニックの映像は消え、高見沢の歯のレントゲン写真がモニタ−に映し出されたのだ。
 それは当然のことだが、アメリカで抜き取った親不知はそこにはなかった。またメキシコで被せ直したクラウン(かぶせ)は、とうの昔に外れてしまっている。

 画面はそんな状況をくっきりと映し出す。そして先生は画面上のカ−ソルを動かしながら、自信たっぷりに説明してくれる。
「高見沢さん、ここ少し黒くなっているでしょ、これ少し化膿してますね。これが痛むのですよ。この白くピカッと光っている細い線が神経です。それにしてもこの奥歯、おかしな治療がしてありますよね……、どこで治療されたのですか?」
 高見沢はあまりのハイテクで唖然としながら、「ちょっとね、……、海外ですけど」と小さく答えた。

「ほう、海外ね。じゃあ、もう少し拡大してみましょ」
 先生は画面の隅っこへカーソルを持って行き、またカチカチとやり出した。すると画面は段階的に大きくなって行く。
「ふうん、そうですか。今はそんな事までもができるのですね」
 高見沢はこんなハイテクに驚くと、先生はさらに一生懸命デモしてくれる。

「そうなんですよ、これをちょっと見て下さい。見る角度、高さも変えられるのですよ、例えばですね……」
 若い先生はもう高見沢のことは眼中にない。目がとんがるほど熱中し始めるのだった。