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第12

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  民事部1係 御中
        〒850-0000長崎市馬町2-32 snkビル8階
                米倉法律事務所(送達場所)
                電話 095-824-9373
                FAX095-824-2677
              被告両名訴訟代理人
              弁護士 宇佐美 茂

                記
第1 請求の趣旨に対する答弁

 1 原告の請求をいずれも棄却する。
 2 訴訟費用は原告の負担とする。

第2 請求の原因に対する答弁

 1 請求原因第1項
  
(1)原告がスーパーダイエイの客であること、被告らが長崎市
   銅座町のスーパーダイエー銅座店内で稼動していることは認める。
(2)平成22年8月20日原告が同店内婦人服コーナーで被告桃井
   の対応を受けたことは認める。
   当日婦人服を購入したとの主張は否認する。
   その際被告桃井に対する態度等については後記する。
(3)翌21日、原告が来店し被告桃井の対応により婦人服を
   購入したことは認める。
(4)翌22日、原告が来店し、婦人服1着を購入したとの主張は
   否認する。
   また、店内で警察官の質問を受けた事実は、当日の事では
   なく「8月25日」のことである。
(5)8月25日、従業員の通報により来所した警察官が原告を
   店外に連れて行った事実はあるが、店外へ出たあとの
   事情については被告は知らない。
(6)原告が、被告池上に対し、購入商品の返還を求め、また
   謝罪目的で原告宅来訪を要請したこと、同被告が拒否した
   ことは認める。 その余りは不知。
 2 同第2項(損害)
(1) 慰謝料の支払い争う。
(2) 謝罪状の提出争う。

第3 被告らの主張

原告の本件請求は、被告らが警察官を呼び出したこと、その結果
来所した警察官にダイエー銅座店外へ連れ出されたことは被告ら
の不法行為に該当し、これによって精神的苦痛(損害)を受けた
と主張するものと解される。

 1被告池上は、スーパーダイエー銅座店(以下・単に「ダイ
エー銅座店」という)の店長の職にある者、被告女性従業員
桃井は、婦人服等小売業者株式会社ミヤコの従業員で、ダイエー
銅座店2階にテナントとして出店する同社店舗(以下・単に「ミ
ヤコ店」という)で販売員として稼動していた者である。

 2原告は、平成22年8月20日(以下・月日だけを記載する)
から、被告桃井にまとわりつき、同被告にストカー被害を受ける
のではないかとの恐怖を与えた。そのためその上司らが種々の
対処を講じることになった。原告の行動やそれによって受けた
被告らの苦痛や対応は以下のとおりである。

(1)8月20日
午後3時ごろ、原告が「ミヤコ店」に来店した。
原告は、対応した初対面の被告桃井に対し「店員さん?」と
尋ね、名札の「ももい」の記載を見て、その直後から「ももちゃん」
と呼ぶようになった。続いて原告は、店内のワンピースを手に取って
自分の体にあて同被告に「似合うかな」と尋ねまた、財布から札を
取り出して同被告に示し「この10万円で好きなものを選んでいいよ」
といって同店にあったピンクのパンプスを指し「俺はピンクが好きだ
から、これは?」と同被告に希望の品を買い与える意思をを示した。
同被告は、来店客で初対面の原告のかような態度に気味悪さや
嫌悪感ひいては恐怖感を覚え困惑していたところ、上司のK?が戻っ
てきてこの様子を目撃し、内戦で別の男性上司Y?を呼び出した。
原告は2人が店内に来た状況をみて同被告に「2ヶ月後に来るから
その時までに欲しいものを決めてて」と申し向け、何も買わず立ち
去った。

(2)8月21日午後5時30分ころ、原告が「ミヤコ店」に来店し被告
桃井に「ももちゃん2ヶ月ぶりに来たよ」と話しかけ。前日のK?
Y?らが原告を囲む状態となった事について「腹立つから呼んで来て
ももちゃんと喋っただけとにね」と怒って見せた。このようなやり
取りの中で、同被告は、原告の左腕にイレズミを認め、さらに恐怖心
をつのらせた。原告は「妹の母親へのプレゼント品」を購入すると
して同被告に手伝わせて選別しながら、黒のロンパースを「俺でも
似合うかな」と自分の体に合わせ「今度これを着てくるから、昨日
ももちゃんが頭につけてたやつ(ウサ耳カチューシャ)を付けて
街を歩こう」と誘いをかけたうえ、紙袋に入れた購入品を受け取る
最、同被告に対し「袋にももちゃんの電話番号とメールアドレス
を書き入れて」と要求したが、同被告は断った。同被告は、原告の
かような態度から、原告からストーカー被害を受けるのではないか
との恐怖と不安を抱いた。なお原告の購入はクレジットの利用に
よるものであったから、原告の名前が「松本吉彦」であることが
明らかとなった。被告桃井は、この日の状況を上司に報告した。
「ミヤコ店」関係者は、被告桃井のストーカー被害を懸念する様に
なり、ダイエー銅座店副店長およびビル警備担当者に事情を説明
するとともに、被告桃井が夜間一人で店を担当をすることもある
ので、今後の対策等を検討することになった。

(3)8月22日午後5時30分ころ、原告はダイエー銅座店内に姿を
みせたが「ミヤコ店」の外から被告桃井を見つけられなかったため
か「ミヤコ店」内に入店しなかった。K?およびY?はこの日も
原告が来たことに被告桃井が精神的に疲労している様子を感じた。

(4)8月23日被告桃井は休暇日。原告の姿「ミヤコ店」関係者の
目に止まらなかったが、同関係者は原告がいつ姿をみせるか
不安感を持ち続けた。

(5)8月24日被告桃井は休暇日。昼過ぎころたまたまダイエー
銅座店の巡回見回りに訪れた警察官から、不審者の有無を尋ね
られた店員K?が原告の行動やその風貌・特徴を説明し。クレジット
控えを交付した。 警察官から「何かあったらすぐ110番する様に」
「どんな事でも良いから連絡してくれ」と指示要請がなされた。
夕方、再度来訪した2名の警察官から、店員K?は「原告の名前・
特徴は別件でマークしている男と同じだ。「何かあったら連絡し
てくれ」と再度指示が与えられた。店員K?は原告が警察官に
マークされている要注意人物と理解し「ミヤコ店」関係者に
警察官の要請事項を伝達し、被告桃井にはメールで連絡した。
被告桃井は「とても怖い」と返信してきた。「ミヤコ店」関係者
は原告の来店に備え、店内担当者の配置の変更や退社対策を講じた。

(6)8月25日午後1時前後ころ、原告が「ミヤコ店」に現れ
同店販売員S?と一緒にいた被告桃井に「ももちゃん」10年ぶり」
などと言いながら接近し「この前妹の母に買った服は気に入って
もらった、今度は自分の母の服を選んでくれ」と注文しミセス
向きの服を選ばせた。これまでの経緯を知り110番通報を指示されて
いた店員S?は同被告桃井の顔がひきつるのを見て、直ちに110番
通報した。警察官が来所するまでの数分間、原告は、応接した店員
作品名:第12 作家名:万物斉同