リレー小説 『暗黒と日記』・第一話
ふっ。明かりがつく。
弾丸のような衝撃が、体を襲った。
心臓はもちろん、ばくばくだ。ちょっと泣いちゃったかも。
目の前にちょこんと立っていたのは……他でもない僕の妹、八乃美夜(はちのみよ)。
満面の笑みを浮かべて、そこに顕現していた。揺れるツインテールすらも今は憎い。
要するに、ハメられた。
「どうだった? 《一人かくれんぼの最中に転がり込む》っていうシチュエーションは」
うるせぇええええ!
「馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿っ! なんてことしてくれてんだよ、心臓が破裂でもしたらどうするつもりだっ!」
「あたしとお母さんの心配してた時は既に張り裂けそうだったのに?」
「上手いこと言ってんじゃねぇええええ!」
っていうか、母さんは!?
「うん、お母さんにも協力してもらってて、今はスーパーでお買い物中です! ということで今日の夜ごはんは手巻き寿司なのだぁ!」
一気に暑くなった気がする。
……とりあえず、制裁を加えよう。よし。
ごん。
「ったぁ! あたしが何をしたってのよ!」
「自分の《悪知恵ちゃん》にでも聞いてみろ」
「そんな可愛い子いないもんっ!」
可愛いんだ。今度紹介してよ。
作品名:リレー小説 『暗黒と日記』・第一話 作家名:ダメイジェン