リレー小説 『暗黒と日記』・第一話
「ただいま」
家に着くなり、違和感が僕を襲い。
「……?」
玄関、廊下、居間。
全ての電気が、ついていない。
おそるおそる居間へ歩を進める。
テレビは、ついていた。しかしそれから出る音はすごく小さくて、《漏れる》と表現してもいいくらいの微量さ。
おかしい、どう考えてもおかしい。
なんで、母さんも妹も、僕の帰りに気づかない。
どうして、真っ暗なんだ。
肝試しを計画していた時のほんのちょっぴりの幸福は、いつの間にか消えていた。
強盗、誘拐、失踪……。
いろんな不安が、浮かんでは消え。
冷や汗だけが、暑い部屋の中では唯一の清涼剤。
怖くは、ない。
恐ろしいのだ。
家族を一人、ないし二人……失うかもしれないのだから。
作品名:リレー小説 『暗黒と日記』・第一話 作家名:ダメイジェン