私の理想の性格
「どのようなお悩みですか?」と、中年くらいの男は訊いた。
ネームプレートには「角山」とある。「つのやま」だろうか。それとも「かどやま」だろうか。「医師」という言い方が正確かどうかは分からない。むしろ技師――いや、博士かもしれない。 とにかく身に付けている白衣は医師という印象が強い男だ。
「私は性格が暗いんですが、明るくなりたいんです」と口篭って答えた。
この「ブレイン・パワー」のことはインターネットで知った。内向的な人間を外向的に変えてくれるという、私には夢のような機械だ。想像もつかない研究をしているのだろうが、巨大な施設というわけではなく、10階建てのビルの7階にある。
「どういった経緯か、訊いても宜しいでしょうか?」
私は短く「はい」と答えると、ここ最近の私生活を話し始めた。
ネームプレートには「角山」とある。「つのやま」だろうか。それとも「かどやま」だろうか。「医師」という言い方が正確かどうかは分からない。むしろ技師――いや、博士かもしれない。 とにかく身に付けている白衣は医師という印象が強い男だ。
「私は性格が暗いんですが、明るくなりたいんです」と口篭って答えた。
この「ブレイン・パワー」のことはインターネットで知った。内向的な人間を外向的に変えてくれるという、私には夢のような機械だ。想像もつかない研究をしているのだろうが、巨大な施設というわけではなく、10階建てのビルの7階にある。
「どういった経緯か、訊いても宜しいでしょうか?」
私は短く「はい」と答えると、ここ最近の私生活を話し始めた。