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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回・参】大菓の改心

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「…どこ見てんのさ?」
休み時間阿部の視線を胸に受けた本間が阿部に聞く
「…やっぱり牛乳とか飲むとそんなになるの?」
本間の胸を羨ましそうに見た後自分の胸を見て阿部が溜息をつく
「揉むと大きくなるって聞いたことあるけど」
足を組んでイカソーメンを一本口に咥え本間が言った
「はやく彼氏作れば?」
横から手を伸ばしてきたミヨコが笑いながら言う
「彼氏…かぁ」
意味もなく伸びをして机に突っ伏した阿部がチラッと斜め後ろを見る
「無理無理こう見えてこの子結構一途だから」
本間が阿部の頭を撫でながらミヨコに言った
「まぁ…なんたってかれこれ7年越しだしねぇ?」
ミヨコも本間と同様阿部の頭を撫でる
「そろそろいんでないのかい? 郁恵ちゃん」
目線を斜め後ろに向けたままの阿部に本間が耳元で囁いた
「時期的にも…告るのに丁度いいイベントあるじゃん?」
そう言ってミヨコが壁に貼られたカレンダーに目をやった
「…も~…勝手に進めないでよッ!;」
足をバタバタさせて阿部が完全に突っ伏した
「…できるならとっくにしてるもん…」
阿部がボソッと呟いた
「しょうがないなぁ…」
本間が席を立ち阿部の斜め後ろへと歩いていく
「…香奈?;」
席を立つ【ガタン】という音で顔を上げた阿部が本間の姿を追って斜め後ろを見た
「栄野」
本間が京助に声を掛けるのを見た阿部が声も無く驚く
「あ?」
浜本の席でUNOをしていた京助が返事をすると本間がなにやら話し始めた
「…そうありがと」
しばらくして本間が戻ってくると阿部がすぐさま身を乗り出して本間に顔を近づけた
「なに聞いてきたのッ!!?;」
小声で本間に聞く
「暑寒(しょかん)岳だって」
本間が意味ありげな笑顔で言った
「…は?」
意味がわからない阿部とミヨコが疑問系の声を出す
「エベレスト、富士山、大雪山、桜島、十勝平野の中でどれがいいって聞いたら栄野は暑寒岳が一番だそうです」
イカソーメンを数本手に掴んでその内の一本を阿部に口に入れながら本間が言った
「…何ソレ…」
ミヨコが本間に聞くと
「胸の大きさ」
本間がさらっと答えた
「香奈がエベレストだとするとー…」
「…アタシはどれなわけ?」
阿部が真剣に聞く
「…公園の砂山くらい?」
ミヨコが阿部の胸を見ながら答える
「…十勝平野はあんまりでしょうからね」
そう付け足したミヨコをジトッと横目で見た後阿部はイカソーメンをまとめて口に入れた
「目指せ暑寒岳だぁね」
本間が足を組みなおして阿部に言った
「ハルにも聞いてこよーっと」
イカソーメンを数本持ってミヨコがマイダーリンの元へ向かう
「はぁ…」
阿部が溜息をつくとチャイムが鳴った