更新日時:2016-05-03 03:49:11
投稿日時:2011-07-11 06:34:20
置き忘れた京子への思い
作者: 楡井英夫
カテゴリー :恋愛小説(純愛)
総ページ数:1ページ [完結]
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著者の作品紹介
帰り際に、京子は手紙を出すといったが、届かない。それでいいのだ。横浜で海を見ながら暮らしていると、ふと京子の顔が懐かしく浮かぶ。それ以下でも、それ以上でもない。あの時、彼女に愛を告白していたら……などと夢想することもあるが、どうなるものではない。どこかで尊い何かを置き忘れたような気がするが、仮にそれが真実であったとしても、どうすることもできない。時間は戻らない。誰もが時間という川に浮かぶ木葉に過ぎない。過去から未来へと流されていく存在に過ぎないのだ。故郷を離れて三十年が過ぎた。それだけが揺るぎないものなのだ。