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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ちょうすけむじなとじろべえさん

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 やっぱり、そこはちくしょうのかんがえること。まためざしをくすねることができると思ってな。
 ところがこんどはじろべえさん。ふところからクリをひっつかんで、ほのおの中になげいれた。
 たちまち、ぱぱーんとクリのからがはじけとんだと。
「うわ、いたたた」
 はじけたカラが、ちょうすけのはらだのかおだのにあたって、そりゃあいたいこと。
「あーっはっはっは」
 じろべえさんははらをかかえておおわらい。
「ちっきしょう。いまにみてろよ」
 ちょうすけはおこって山へにげかえろうとしたと。
「まあ、まてや」
 じろべえさんは、ちょうすけをひきとめた。
「こんなことばかりしてたって、しょうがないだろう。魚がほしけりゃ、おらがとってきた魚をおまえにも分けてやる。そのかわり、おまえ、山からうまいもんをとってきてくれないか」
 じろべえさんのやさしいことばに、ちょうすけはしょぼんとして、今までのことをあやまったそうな。

 それから、ちょうすけは悪さをやめ、山から春にはわらびだのぜんまいだの、秋にはきのこやアケビをとって、じろべえさんのいえに来るようになった。
 じろべえさんもやくそくどおり、ちょうすけに魚をくわせてやったと。
 そうこうするうちに、村のもんもちょうすけとぶつぶつこうかんするようになって、なかよくなったということだ。