WHITE BOOK
第2章:日常(Usual Day)
黄色いブラウスを着て、赤いリボンタイを身に付け、茶色いチェックのスカートを履いて青い通学かばんを持った人は、想楽1人しかこの道を歩いていない。
閑静な商店街を少し歩けば、彼女の通う新代学園までは目と鼻の先だ。
新代学園は私立の中高一貫校であり、想楽は高校1年の時に編入してこの学園に通っている。まだまだ新しい学校だが、ここの女子バレーボール部の実力は全国に通じるほど高く、その意味では有名である。もちろん、どこの部活にも所属していない想楽には微塵も関係ないのだが。
無駄に装飾の施された校門をくぐり、中等部の校舎の右側に回って、そのさらに向こう側にある高等部の玄関へ歩を進めた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ