WHITE BOOK
出てきたのはエランド、サリアの名前。せっかくなので前々から疑問に思っていたことを聞くことにした。
「エランドのサリアさんとスターシーカーのエリザって名字同じだよね。何か関係あるの?」
すると、アリスは驚いた顔をする。
「ありゃ、ソアラ言ってなかったの?」
「あっ。」
はっとした顔で、ソアラが頭を掻いた。
「ごめん、すっかり忘れてた。」
「サリアさんとエリザさんが、どうかしたんですか?」
敵にまで敬称をつけて、セイファーが首をかしげる。その問いにはりぼんが答えた。
「うん、サリアさんはエリザの娘なんだって。」
「えっ、娘ぇ!?」
つまり、共生主義宗教ファルシア教エランドのサリアと、聖族主義企業フリーダム社長のエリザが、血の繋がった親子である、ということだ。詳しく聞くと、サリアはエリザに強い暗示のようなものを受けていて、ファルシア教エランドでありながら聖族主義の集団であるスターシーカーに身を置いている、ということだった。
「だからまず、サリアの暗示を解かなきゃなんないんだけどそれは……まぁ、たぶんなんとかなるでしょ。」
アリスは事態をやけに楽観視しているが、そんな簡単にいくものだろうか、と想楽の不安は深まるばかりだった。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ