WHITE BOOK
《詳しいことは分かりませんが、とりあえず想楽様ともセイファー様とも違う世界から来ていることは確実です。》
「あ、そうなんだ?」
つまりは、この世界にとってはもちろん、想楽にとっても、セイファーにとっても異世界の人、ということになる。
「白本って、全部違う世界に送られたの?」
その通りです、とエリカ。続けて、こう書いてあった。
《ただ、我も誰がどのような世界に送られたかは分かりません。ですから、どのような人が選ばれたのか分からないのです。》
「うーん、そっかぁ。――まぁ、後で分かるからいいよ。」
笑いかけ、エリカの矢印を確認してからページをめくろうとしたところで、背後に人の気配を感じた。顔だけ振り向いてみると、それはセイファーだった。
「おはようございます、想楽さん。」
「おはよう、セイファー。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ