WHITE BOOK
想楽もソアラも、少し動揺していた。
エリカの堅苦しい言い回しを読んでいたせいか、このように話しかけられるとは微塵も思っていなかったのだ。
「……なんか、調子狂うね。」
想楽は思わず苦笑いした。
「最初からこんなだったの?」
「はい、そうですけど。」
ソアラとセイファーの受け答えを聞いていると、地図を表示したままのエリカが青い矢印を出した。きっと会話に加わりたいのだろう、と思った想楽は1枚ページをめくる。
《アイリス、もう少しマスターに敬意を払いなさい。》
それはおそらく、セイファーの白本の精にかけた言葉。どうやら名前はアイリスと言うらしい。
セイファーにそれを見せると、今度はアイリスが右下に矢印を表示した。その色はエリカとは違い淡いオレンジ色だ。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ