WHITE BOOK
そして今は船に乗っている。
「高速船だからね。夕方6時頃には着くよ。」
ソアラの言葉を聞きながら、地図を表示した慈愛乃闘神を覗き込む。エリカは現在地と目的地に印をつけ、左ページにこう書き記した。
《リバティアホープ地区のあるセリフィ大陸は北半球にありますので、今日の季節は夏になります。想楽様の知る気候に近いのかもしれません。》
「赤道をまたぐんだね。」
「うん。」
窓の外に目を向けてみると、電車の時よりは速い速度で景色が流れていっているはずなのに、海の上で景色に変化がないからかあまり早く感じない。目の感覚って不思議だな、と考えていると、ソアラがセイファーにこう聞いた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ