WHITE BOOK
「ブック!」
ブレスレットが光を放ち、本の形を成す。
「フェザーズ!」
右手から左手に本を持ち替え、本から飛び出してきた羽ペンを一気に引き抜く。そしてこちらも、わざと右手の人差し指が見えるよう、ペンを構えた。
「本当に、少しだけだよ。」
当然、その右手の見せ方に男達は気付く。ディアルに見えるセイファーにオーブがなく、フィアルに見える想楽にスパイラルがない。異世界の人間であることも知れ渡っているだろうその特徴に。
「ほお……。」
緑の眼鏡が感心したような声を出す。
「つまりは、全力でやってもいいってことか。」
黄色い眼鏡も、右手に源力の光を集めながら続く。
今度は2人同時に言った。
「俺達ライタローゼ兄弟にケンカ売ったこと、後悔すんなよ!」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ