WHITE BOOK
石膏でできているらしい真っ白な彼女の像。
髪は腰の辺りまで伸びている。優しげに微笑む瞳と唇。丈の長い半袖のワンピース。右手にはスパイラルもオーブもない。見た目で年齢を決めるなら、おそらく中学生ほどの幼い女神リンダは、確かに想楽自身に似ている。
「本当に、似ているんだなぁ。」
「うん、こうやって改めて見ると、本当によく似てる。」
そういえば中学に入るまではこのくらいまで髪伸ばしてたなぁと考えながら、しばらくの間そうして像を眺めていた。
教会内が静寂に包まれた。
が、その静寂もすぐに打ち破られた。
「ソアラ様っ!」
誰かがソアラの名を呼んだ。声の聞こえたほうを向くと、修道服を着た女性がこちらに向かって走り寄ってくるのが見えた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ