WHITE BOOK
彼女は片手に紙の束を抱えている。集まっている想楽たちを見つけた彼女は、ヒールの音をカツカツとたててこちらに近付いてきた。そして一礼し、紙束から1枚を抜き取って想楽に差し出した。
「ファルシア教会から、時のお言葉です。」
同じものと思われる紙が、1人1枚ずつ配られていく。
そういえば、と想楽は思い出す。
トレーニングホールに行った時、ソアラが「何か声が出るはず」と受付に話していたはずだ。もしかしたらこの「時のお言葉」がそれなのかもと思い、早速読んでみることにした。
英語と日本語――つまりフィアル語とディアル語が並べて書いてあるが、内容は同じだろう。英語が苦手だった想楽は、明国語に目を通した。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ