WHITE BOOK
時間と共に光は変化を見せた。少しずつそれは冷気へ、氷の粒子へと変わり、雪ともいえる真っ白なものになる。そしてコウジの右手を中心に、想楽のそれとは違う白が集った。
「氷珠(ひょうじゅ)――」
呟いた言葉は、それが氷属性のジュエラルであることを明確にする。右下に腕を構えたコウジは、同じような白い光を右手に宿す想楽を睨みつけた。
ごくり、とつばを飲みこみ、羽ペンを握る手に力を込める。
この距離で具現はありえない。再生や守護はこのシチュエーションでは考えられないし、それに影響や操作は元となる氷がなければ使えないだろう。
となれば、相手の型式は「波動」か。
向けられたコウジの拳と共に、その回答が示される。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ