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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・伍】スノー・スマイル

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結局阿部と本間、ミヨコとハルを手分けして探した後の解散ということになって家につく頃には当たりは真っ暗になっていた

きゅくるるる~…

ぐぅ~…

「…ピークだな…」
石段を登りながら京助が呟いた
「帰ったらすぐ晩御飯食べられるよかるらん!」
台所に明かりがついているのを見て悠助が言う
「…そうか…」
浜本のマフラーをかけられ京助の上着を羽織った迦楼羅が悠助に向かって力なく微笑んだ
「無理させて悪かったなサンキュ」
京助が言う
「緊那羅も寒い中あんがとな悠も」
家の戸をあけて待っていた緊那羅に京助が言うと緊那羅が微笑んだ

「おかえりなさい」
「だっ!!;」
玄関に入った京助が再び迦楼羅を落とした
「け…」
「けんちゃん!」
「乾闥婆!?;」
京助 悠助 緊那羅が同時に言った
「けんだ…;」
そして少し遅れて迦楼羅が言う
前にも見たような格好で手には箸を持った乾闥婆が一同を出迎えた
「【天】に帰ったんじゃ…;」
緊那羅が玄関の戸を閉めて言う
「先に戻るとは言いましたが【天】にとは言っていないですよ?」
乾闥婆がにっこり微笑んだ
「…いつまで地べたに座ってるんですか迦楼羅」
しゃがんで迦楼羅に向かって微笑む
「あ; スマン;」
京助が迦楼羅を抱き上げた
「コイツヘロヘロなんだわ; 飯できてるか?」
迦楼羅を小脇に抱えたまま京助が家に上がる
「…京助」
名前を呼ばれて京助が振り返ると乾闥婆が笑顔のまま京助と迦楼羅の額に箸を刺した
「痛ってぇッ!!!;」
「だッ!!;」
京助と迦楼羅が悲鳴を上げる
「…怒ってるちゃ…;」
緊那羅がボソッと呟く
「ご飯だよ-!!」
いつの間にか家の中に上がっていた悠助が呼びに来た