わがまま
「なので、大丈夫って言うのは許して下さい。俺のは、なにがどうなっても『大丈夫にする』って意味だからさ」
イチゴ味食べる?と出されたスプーンを、再び素直にくわえた。
そしてうなずいた。
「…わかった。俺も怒鳴ってごめん」
「灯里が怒るのは当然だし」
「でも、心配はするからな。これだって俺の性分なんだから、心配すんなっつっても無理だからな」
「ありがと」
小さく笑って、蓮は手を伸ばし、灯里の頬を軽くつまんでひっぱった。
「俺がわがまま言えんのも、俺のわがまま聞いてくれんのも、灯里だけだと思ってるから」
「…また恥ずかしい事を言う、このコは」
灯里は、わしわしっと蓮の柔らかい髪をかき混ぜた。