第二章 第五話 初対面の剣術部隊と笑わし隊
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熱海の海岸リュタ、リューター
貫一お宮の リャンコレン
共にショウファも チンテン限り
共にリュタリュタ チンテン限り
あゝ、宮さん、あの月カンカン。
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僕の近くでワカナさんが歌を歌ってくれた。
「坊や。つらいことがあったんだね。だけどそれを乗り越えることで一人前の男になるんだよ。」
なんかお母さんに歌ってもらってるみたいで僕はグスグスと恐れ多くもワカナさんの胸で泣いた。
周りではいいなぁと言う声が聞こえたとか聞こえなかったとか
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一郎 ワカナ、なんやねんその歌。」
ワカナ 私皇軍慰問に行って覚えて来たのは支那語ですのよ。
一郎 ほう、仲々話せますな。
ワカナ この頃ね、寝言にまでやるんですよ。
一郎 また、いやらしいですな、君も。
ワカナ でも矢張り日本語の方が喋りよいですよ。
一郎 当然（あたりまへ）ですよ。
ワカナ ぢや東洋平和の為、日支親善の唄をお聴かせしませうか？
一郎 あゝ、お願ひします。
熱海の海岸リュタ、リューター
貫一お宮の リャンコレン
共にショウファも チンテン限り
共にリュタリュタ チンテン限り
あゝ、宮さん、あの月カンカン。
一郎 カンカンとは何ですか？
ワカナ 来年のチンテンワンシャン、十五年後のチンテンワンシャン、オデの涙でシヤオチヱライクゥー
一郎 支那人の寝言みたいですね。
ワカナ 富山チヱン タクユー ニデーチヤン クイ オデチヱン メィユー ブシン ソーニマー
一郎 おゝ、情けない。君、慰問に行つて、そんな唄覚えてきたんですか？
ワカナ さうよ。
一郎 巧いもんですな、しかし。
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一気に笑い声が響いた。
チェルグさんも笑っていたし隣にいた男の子も笑っていた。
僕も国重君も皆皆笑った。
あぁ、こんな楽しい時間が一生続けばいいのに・・・・
作品名：第二章 第五話 初対面の剣術部隊と笑わし隊 作家名：sanze1991