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第二章 第一話 若林源五郎の出兵

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そして七日後僕は集合場所である佐津螺(さつら)港へと向かった。

父ちゃんは右手に障害があって軍事工場で働いているけど今日は特別にお休みをもらってお見送りに来てくれた。
「源五郎。父ちゃんの分まで頑張って来いよ。」
「うん!父ちゃんもお勤め頑張ってね。」
「あぁ。お前も・・・・また元気な顔をみしてくれ。」
「父ちゃん・・・・(グス)」
そして父ちゃんは僕に大切にしてたおじいちゃんの形見を僕にお守りとしてくれた。
母ちゃんは船の中で食べるようにおにぎりを握ってくれた、中身は僕の大好きな梅干。日の丸みたいなおにぎりだ。
そしてかりんとうを一袋非常食として渡してくれた。

ラッパの音が港に響きゾロゾロと兵士が乗船していく。
これで父ちゃんと母ちゃんに会えるのは最後だ。
そう思ったらなんか急に戦地へ行くのが怖くなった。
「父ちゃん、母ちゃん・・・僕・・・」
母ちゃんはギュッと抱きしめてくれた。
「生きて・・・・・生きて帰ってきておくれ・・・」
「母ちゃん・・・・母ちゃん母ちゃん母ちゃん母ちゃん」
僕は泣くのをこらえるかのように何度も母ちゃんの名前を呼んだ。
そして父ちゃんも抱きしめてくれた。
なんだか勇気がわいてきたぞ!
「父ちゃん・・・母ちゃん・・・いって来ます。」
「いってらっしゃい。源五郎。」
そして僕が乗った船は戦地へと向かった。

船の中では同じ学校の友達と仲良くご飯を食べました。
その中で一番仲良くなった三船君が同じ部隊だと知ったのは部隊編成のときだった。