天気予報はあたらない
雨の音が窓の外からまだ響いている。夕方に降り始めた雨は今も強く降り続き、台風が来たのかと思わせるほどだ。かといえば、部屋の中は鼻をすする音が気になるほど、静寂がしみ渡り、その対比が際立つ感じになっていた。息を整えて、自分の声がしっかりと出るのを確認して、話し始める。
「今日、晴れたじゃん。」
我ながら、話の切り出し方が下手だと思う。でもそんな俺に対して、悟志はしっかりと聞いてくれているのを感じる。
「晴れたなぁ、昨日は確実に雨って言ってたのに。」
ゆったりとした相槌に安心する。
「花火大会、行ってさ。」
今日のこと、しっかりと話そうと思い、拙いながらも言葉をつないでいく。そのためにひとつひとつ、思い返していた。
作品名:天気予報はあたらない 作家名:雨来堂