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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回】 垂れ流しからの恩恵

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「ただいま~!!」
ガラッという音と共に家中に響く悠助の元気な声
しばらくしてトタトタトタトタをいう足音が聞こえソレがだんだんと悠助に近づいてくる
「コマ! イヌ! ただいまっ!」
靴を脱いで玄関に上がり二匹の犬を抱きしめる
「ふぃ~…あったかぁ…」
冬が近いせいか最近は気温が低くいくら上着を着ているからといっても結構寒い
帰宅したばかりの悠助は頬が赤く少し鼻水も垂れてきていた
「おかえりだっちゃ悠助」
玄関に座り込んだままコマとイヌで暖を取っていた悠助に緊那羅が声をかけた
「ただいま緊ちゃん!!」
悠助が笑ってただいまを言うと鼻水が垂れてイヌについた
「やー!! ついたんだなッ!」
聞いたことのない声が聞こえて緊那羅と悠助が止まった
「馬ッ鹿!」
そして今度もまた聞いたことのない声が聞こえた

「…悠助何か言ったっちゃ?」
緊那羅が悠助に聞くと悠助が首を横に振った
「緊ちゃんじゃないの?」
今度は悠助が緊那羅に聞いた
「私じゃないっちゃ…じゃぁ一体…」
少しの間沈黙が続いた
悠助が二匹の犬を抱いたまま緊那羅に駆け寄った
「緊ちゃん…」
緊那羅がそんな悠助の頭を撫でて微笑む
「大丈夫だっちゃ。きっと空耳だっちゃ」
不安がる悠助に言った
「…悠助は私が守るっちゃ」
そして緊那羅が自分に言い聞かせるように呟くとガタガタと縁側の外戸が音を立てた
「緊ちゃん~;」
悠助が緊那羅にしがみつくと二匹の犬が悠助の腕から飛び出し縁側のほうに走っていった
そして聞こえはじめた二匹の犬の吠え声に混じって
「吠えるなッ!! やかましいわたわけ!!」
聞き覚えのある怒鳴り声と御馴染みになった口癖が聞こえた