夜空の漂流船
ふたりで過ごすとき、聡美さんはおしゃべりになる。
「あのドラマすごく面白いよ。主人公の男がダメな奴で、なんだか可愛いの」
「聡美さんは、そういう男がタイプなんですか?」
「そうなのかな・・・。そういう男と付き合ったことはないけど、案外惹かれるところはあるのかも」
なんて、無邪気に言う。
そして、僕がよく知らないジャズかなにかの曲をハミングしながら、また別の話題を思いついて話し出す。
「うちの課長ってホント使えないわ。保身のことしか考えてないクセして偉そうだし」
「そうですかね?僕には優しいですよ」
「あなたが男だからじゃない?それとも、自分に従いそうな部下にはそうなのかなぁ」
そうやって、とりとめもない話題を楽しそうに話す。
そろそろ帰らなくちゃ、と聡美さんが言った。
僕は、もうちょっといいでしょう、と言う。二人でいるときは、少しわがままを言うようになる。
聡美さんは、悪戯っぽい笑みを僕に返しながら煙草を消し、てきぱきと洋服を着始める。それをぼけーっと眺めながら、普段の聡美さんのてきぱきと仕事をこなす姿を思い出す。その瞬間は、朝方目覚めるまえの、夢が夢だということに気づいたときの気分になんだか似通っている。
「あのドラマすごく面白いよ。主人公の男がダメな奴で、なんだか可愛いの」
「聡美さんは、そういう男がタイプなんですか?」
「そうなのかな・・・。そういう男と付き合ったことはないけど、案外惹かれるところはあるのかも」
なんて、無邪気に言う。
そして、僕がよく知らないジャズかなにかの曲をハミングしながら、また別の話題を思いついて話し出す。
「うちの課長ってホント使えないわ。保身のことしか考えてないクセして偉そうだし」
「そうですかね?僕には優しいですよ」
「あなたが男だからじゃない?それとも、自分に従いそうな部下にはそうなのかなぁ」
そうやって、とりとめもない話題を楽しそうに話す。
そろそろ帰らなくちゃ、と聡美さんが言った。
僕は、もうちょっといいでしょう、と言う。二人でいるときは、少しわがままを言うようになる。
聡美さんは、悪戯っぽい笑みを僕に返しながら煙草を消し、てきぱきと洋服を着始める。それをぼけーっと眺めながら、普段の聡美さんのてきぱきと仕事をこなす姿を思い出す。その瞬間は、朝方目覚めるまえの、夢が夢だということに気づいたときの気分になんだか似通っている。