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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・弐】召しませ玉子酒

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京助が窓の下で小さくなって泣いているヒマ子に言った
「俺は嫌いなヤツにはこんな風に声かけたりしねぇよ…たしかに多少呆れたり手ぇつけられないようなことされてるけど…それはそれで…まぁ何とかなってるし…楽しいっちゃ楽しいし」
そう言いながら京助は垂れてきた鼻水を服の袖で拭う
「僕も!! 僕も楽しいよ? ヒマ子さんがいて緊ちゃんがいてみんないて!! 迷惑じゃないよ? 全然! 大丈夫だよ!!」
悠助が身を乗り出して笑いながら言った
「…京…様…悠様…」
ヒマ子が顔を上げるとちょっと呆れ顔で笑う京助と思いっきり笑顔の悠助がヒマ子を見ていた
「…ってと…俺は緊那羅部屋に連れて行ってくるか」
京助が寝こけている緊那羅を振り返ると緊那羅が寝返りを打って襖にぶつかった
「…酒癖最悪」
京助が緊那羅に近づいて再び緊那羅の腕を持った
「悠ちょっと戸開けてくれ」
緊那羅をおぶった京助が悠助に言うと悠助が駆け寄って戸を開ける
「京様!!」
部屋から出ようとした京助にヒマ子が叫んだ
「私! やはり貴方様を愛しておりますわ! あきらめませんわッ! 京様っ! 愛しておりますわ-----ッ!!」
ヒマ子のラヴラヴフラッシュをモロに受けた京助がおぶっていた緊那羅を落として固まった

「…頭痛いっちゃ…気持ち悪いぃ~…;」
翌日青い顔をして緊那羅がふらふらしていた
「二日酔いだな」
京助が鼻水をすすりながらベルトを締める
「お前酒弱いし酒癖悪いし」
本日文化祭最終打ち合わせということで珍しく早くから京助が起きていた
まだ完全ではないもの一応は復活ということで母ハルミに登校許可を得たらしい
「…玉子酒って…【ソーマ】じゃないっちゃ?;」
壁に寄りかかりながら緊那羅が聞いてきた
「玉子酒は玉子酒だぞ?」
京助が鞄を肩にかけながら緊那羅に言った
「【ソーマ】飲んだ後にもこうなるっちゃー…;」
ずるずると壁伝いに緊那羅が下がる
「…【ソーマ】って酒か…?」
京助に問いに答える気力もないらしい緊那羅がそのまま蹲った
「…おだいじに」
蹲った緊那羅にそう声をかけると京助は玄関に向かった
「…そういや…あん時…乾闥婆が緊那羅に【ソーマ】飲ませたんだよな…」
靴を履きながらふとそんなことを思い出した京助は迦楼羅達が緊那羅を【天】に連れて行った後【ソーマ】のせいではっちゃけている緊那羅をどうしていたのか少し気になった