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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回】わき道・寄り道・帰り道

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「…鳥類…」
「迦楼羅…」
京助と乾闥婆がはぁと溜息をついた
「いや、でも俺も腹減ったわ;今何時なんだよ…;」
京助が自分の腹をさすりながら言った
辺りはもうすっかり暗くなっていて少し肌寒くなってきている
「早く帰らないと。ハルミママさんが心配していますし…迦楼羅のおなかもうるさいですし」
乾闥婆がチラリと迦楼羅を見る
「や…やかましい!! たわけっ!!; 腹は減るものなんだっ!!;」
迦楼羅が怒鳴ると乾闥婆が迦楼羅の前髪を引っ張った
「き・ち・ん・とわがまま言わないで食事していればまだもったはずですよ?」
にっこりしながらそれでもかなりの力を込めて乾闥婆が迦楼羅の前髪を引っ張っている
「…んとにあいかわらずだね」
制多迦が笑いながら言った
「…なぁ…お前らって…敵同士なんだよな?」
京助が聞くと悠助以外の四人が京助を見た
「…まだ(強調)…本当には【敵同士】じゃないよ。今はね…」
矜羯羅が言う
「…今は?」
京助が聞き返す
「…きがくれば【敵】になる」
制多迦が言った
「【時】…ってなんなんだ?てか…」
「京助」
京助が更に聞き返そうとすると乾闥婆に名前を呼ばれた
その乾闥婆の方向を見ると迦楼羅の前髪を引っ張ったまま笑顔で京助を見ている
しかしその笑顔の後ろには大魔神が『ウー!! ガンダ---!!』と憤怒の形相で見える様な気がする
「…僕が前言ったこと覚えています…よね?」
乾闥婆が首をかしげて笑顔で聞くと後ろに見える様な気がする大魔神も首を傾げた様な気がした
「…は…い;」
京助が引きつりながら頷いた

「タカちゃんとかるらんとけんちゃんときょんがらさんは敵同士なの?」
悠助が京助に聞いた
「…きじゃないよ。だからもう喧嘩もしない大丈夫」
制多迦が悠助の頭を撫でながら言った
「本当?」
「…ん本当」
悠助が聞くと制多迦が笑顔で返した

ぐ~きゅるるるりぃ~…

「…迦楼羅…貴方って人は…ッ」
いい場面で必ずと言っていいほど泣き喚く迦楼羅の腹の虫
「あだだだだだだだ!!; し…仕方ないだろうが!たわけ!!;」
迦楼羅(かるら)がぎゃーぎゃーわめくのをお構いなしに乾闥婆が前髪を引っ張る
「…本当相変わらず」
矜羯羅がクスクス笑った
「…うすけ…もう帰ったほうがいい」
制多迦が笑顔で言った
「そうだな…暗くなったし母さんも待ってるしそれに…」

ぎゅるるるる…

「…なにより鳥類の腹の音がやかましいしな;」
怒鳴り声と混ざって聞こえてくる体のわりにやたらとでっかい迦楼羅の腹の虫の声
「…タカちゃん…」
悠助が制多迦を見上げた
「…うすけお願いあるんだけど」
眉を下げて見上げてきた悠助に制多迦が言った
「…くを叩いてくれない?」